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きらめく一句を探すワークショップに行ってきたよ


ごきげんよう、ezotanuです!

先日、とつきさん主催の #きらめく一句を探すワークショップ に参加してきました〜!



とつきさんのnoteはこちら。


今回は、とつきさんが持ってきてくださった句集を各々読み、そこからいいなと思った句を選んだあと、みんなで感想を語り合うというワークショップでした。

前回の季語で遊んでみるワークショップのときに俳句を一句選ぶワークがあったのですが、そのときは俳句を読もう!と思って読むのが初めてだったこともあり、読んでみても「よくわかんないな?これはどういうことだろう??」と思う句がた〜くさん!ありました。
それなので今回も少しだけ「ワークショップの時間内に選べるのかな?」という不安もありました。(そうです、前回も「時間内で見つけられるかな!?」という同じ不安がありました。笑)

実際に句集を読み始める前に、とつきさんから「こういうポイントで選んでみてもいいんだよ〜」という選び方のヒントを教えてもらったり、持ってきてくださった句集の簡単な説明があったおかげで、全く知らずにカチコチの状態ではなく、少しリラックスした状態で句集を選ぶところからスタートできたのが良かったな〜と思います。

わたしが今回読んだ句集はこちらの2冊。

「ふつうの未来」は帯に書いてある句がかわいいな〜と思って。
「天の川銀河発電所」はアンソロジーなのですが、タイトルが良いな〜と思って手に取りました。(わたしは長野まゆみが好きなんです。このタイトルに惹かれる感覚、なんとなくわかってもらえるかな…?)

1時間以上かけてじっくり向き合って、
今回選んだ5句は以下の句たちです。
(句の下に書いたのはわたしの感想です)


つなぐ手や冬の夜空の明るさに/越智友亮

家への帰り道、月明かりがふたりを照らしている。寒いからと適当な理由をそえて、人前では手を繋ぎたがらない君の手を取る。君はやはり外で手を繋ぐのは恥ずかしいとこちらを見たけど、他には誰もいないよと言うとそれ以上は何も言わずにぎゅ、と手を握り返してきた。うれしくって心に明かりが灯る。思わずもれた呼気が白い。肌を刺す澄んだ空気も心地いい夜だ。

……って、ことなんですよ!!!!!(大声)(ただのわたしの解釈です)
この句を読んだ瞬間、このシーン(創作です)が脳内にバッと浮かび、ときめきがノンストップで叫びそうになりました(漫画を読んではときめくシーンにきゃあきゃあ言いながら足をばたつかせるタイプ)。しかし皆が静かに読んでいるなかで叫ぶわけにはいかないので、マスクの下でくちびるをぎゅっと噛み締めていました。よく耐えたね、えらいよ。
え?深読みしすぎだって?
深読みじゃないもん、わたし見たもん!!!(トト口見たもん!のテンション)
いや〜、ついこのあいだまで俳句よくわかんないな〜と思ってたのに、こんなふうに取り乱しちゃう自分に吃驚しましたね。急に「わかる」「見える」ものがあるの、おもしろいな〜!!

その場でみんなに喋った時は空に浮かんでるのは満月って言ったんですけど、満月に向かう途中の月(だからまだ欠けがある)がいいかな〜と思います。手をつないでうれしくってしあわせだな〜と心が明るくなったのと、月の明かりは同じ明るさです。

星澄みて冬のようなり自転車漕ぐ/越智友亮

わたしは晩秋から初冬にかけてが一年のなかで一番好きな季節です。冬が大好きなので、その冬がこれからやってくるな〜、そうして冬がやってきたな〜!と変化を日々感じられる期間がとっても楽しくてわくわくするのです。

冬は星がよく見えるけれど、まだ秋なのに冬のように星空が澄んでいて、もうすぐ冬がやってくるのを感じとっている。前の家に住んでいた頃は帰り道に星を見ながら自転車を漕ぐのが好きな時間だったので、その光景を思い浮かべました。

きりぎりす眠くても手紙は書くよ/越智友亮

窓の外できりぎりすが鳴いている。眠気にあらがいながら、ぼくは転校して遠く離れてしまった君に手紙の返事を書く。ぼくもそうだったように、君もきっと返事を心待ちにしているだろうから。

(明日の朝、投函するんだ。)

セロリ齧る世界に愛は満ちている/越智友亮

これ、わたしの体験からなんですけど…(ごにょごにょ)。ある日、自室に居たら嗅いだことのない匂いがしてきて「なにこの異臭!?」と吃驚してリビングに行ったら、連れがおやつにセロリをそのまま齧ってたんです。わたしがセロリ嫌いなので、リビングにいないうちに食べちゃおうと思ったらしいんですね。でもその匂いが自室にまでただよってきた。わたしは母親もセロリ嫌いで食卓に上がらずセロリと殆ど遭遇することなく育ったため匂いを知らなくて、突然の強い香りに驚いたというわけです。

で、で〜(ごにょごにょ)、この句を読んだ時にすぐ、その時の光景が頭に浮かんできたんです。だからこの場合の「世界」は「(世界でいちばん大好きな人と一緒に住んでいる家の)リビング」です。恥ずかしすぎてすまぬ。笑

星空はおほきな時計山眠る/南十二国

きらめく星空の下には静かに眠る雪山。ゆっくり星は移動して、夜がさらに深くなっていく。

頭に浮かんだ風景が、その静寂が美しいと思って選びました。前回のワークショップで、いいと思った季語を3つ選ぶワークがあったんですが、その時選んだうちのひとつが「山眠る」でした。わ、再会した!と嬉しく思ったのもこの句を選んだ理由のひとつです。


……と、以上5句を選んでわかったんですが、わたしは夜、特に夜空が大好きなんですね…!!こんなに偏ると思っていなかったので驚きました。他にも候補はいくつかあったんですが、結果的に選んでるのは好きな季節の秋冬の句ばかりでした。


5句選んだあとは、さらにそこから2句に絞りこみます。わたしは先ほどの5句のうち、最初の2句にしました。

わたしはそれらをすぐ情景が見えたから選んだんですが、みんなが選んだものと並べてみると、すごくストレートにキラキラしていたんです、字面が。ちょっと眩しさに照れて恥ずかしくてそわそわしてしまうほどに。なんでぇ!?
こんなに個人差出るとおもってませんでした…!

絞り込んだあとは、2句×人数分の句の感想をみんなで喋りました。誰がどの句を選んだかわからない状態で話します。
この感想を言い合う時間が本当〜〜〜に楽しかった……!!
わたしが絶対に選ばない(気づけない)ような句があったり、かわいいと思って読んでいる人がいる一方で同じ句を怖いと思って読んでる人がいたり、解釈がそれぞれ違って、そしてその違いが「みんなちがってみんないい」と成り立っているのがとても良かったです。
あと、よくわからなかったな〜と思っていた句も、人の感想を聞くと受け取り方がかわったりするんですよね。でも無理に感想を捻り出す必要はなくて、よくわからなかった句を「この句よくわかりませんでした……」と正直に言っても全然大丈夫な場なのも良かったです(笑)。

個人的に面白かったのは、不穏な読み方をしがちな人が、わたしが選んだ2句に対してどっちも「眩しすぎる」的なニュアンスの感想を言ってたことです。それはそう!w
でも全部好みが合わないかというとそうじゃなくて、通じ合う句もあるんですよね〜!!おもしろ!

そうやって人の感想を聞いて話してようやく、わたしの、はにかんでしまうようなしあわせ大好き、きらきらとした輝きや、物語がみえるような世界観が大好き!な好みががっつり選句にも出てるんだな…!と気づいたのでした。
あと「ふたりの関係」(親愛なども含めたさまざまな愛のかたち)が見えるのも好きなんだな……!

ロボットも博士を愛し春の草/南十二国

その場では何故かなんでもないふりしちゃったけど、わたしもこの句を読んで実はちょっと泣いてました。笑


というわけで、みんなの感受性もわけてもらえてとっても良いワークショップでした。
体験や知識がないと拾えないものがあるな〜と気づいたので、日々のささいなことにもう少しアンテナ張って過ごしてみようと思います。

いやもう本当に楽しかった……!!!
とつきさん、参加者のみなさん、どうもありがとうございました!
次回も楽しみにしています〜!!



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