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朝陽に透ける。 2020.3.27

逆光を好む傾向にある。毎朝、散歩に出掛ける。手にはいつもカメラ。いや、少し前からiPhone11Proに取って代わった。高性能に撮影熱は更に高まる。超広角も接写もいけるので、同じ被写体の再トライを重ねているが、朝陽は特に逆光が相応しい気がする。

横から差す光が、さまざまなものを照らすと、自ずと透ける被写体に惹かれていく。逆光は順光より生命感が伝わるように思える。人体だって光を通す。太陽に掌をかざした経験は、誰しも持っているだろう。温かさもあり、静かな鼓動もあり、胸の奥の方にじんわりと染みる何か。昇ってくる朝陽に、いくつもの花や葉がその光を受けて輝き始める。
そもそも朝陽なのだ。日暮れの西陽では、なぜかこうはならない。朝陽には、特別の滋養のようなものがあって、それを浴びているからこその魅力なのではないか、常々そう想っている。だからだろうか、草花の命を透かしてみせる朝陽を愛おしく感じるのである。あるいは、その様を目に焼き付けたくて、散歩をするのかもしれない。嗚呼、朝陽の一刻。

朝陽に透ける02

朝陽に浮かび上がる菜の花。抱きしめたくなる。

朝陽に透ける03

咲き始めの木蓮。開いたと思ったら傷み始める。

朝陽に透ける04

霜が降りた朝。陽の当たるところから溶け始める。