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イム・ユンチャン~練習する意欲が削がれるくらい凄かった 2024/02/06


いよいよ生ユンチャン本番


先日、亀井聖矢さんとの2台ピアノで初めて聴いた生のイム・ユンチャン。2月6日、ミューザ川崎に。

夜ピアノシリーズのラストがこのイム・ユンチャンですが、今回、このシリーズを購入したのは、藤田真央さんとユンチャンが入っていたから。チケット争奪戦に参戦したくなかったので、こちらを選びました。

チケットを購入した時は、まだプログラム未定だったのですが、後に「ショパンエチュード全曲」であることがわかり、期待度MAXに。

驚愕のショパンエチュード

全曲ということは、あの楽譜一冊分です。ショパンエチュードは、技術のない人が無理矢理練習すると手を痛めるやつ。高校生時代、私も何曲か練習しましたが、きちんと弾けたものはありませんでした。

プログラムは、

3つの新しいエチュード 
12のエチュード op.10
12のエチュード op.25
<アンコール>
ショパン ノクターン op.9-2(ユンチャンアレンジ)
ベッリーニ  歌劇「ノルマ」より清らかな女神
ショパン op.25-1 エオリアンハープ(再び!)

プログラムノートによると、op.10はリストに献呈され、何でも初見で弾けた(すごい!)リストであっても、練習しないと弾けなかったらしい。

そんなものを2時間で全部弾くとは・・・。まあ、ヴァンクライバーン国際コンクールのセミファイナルででリストの超絶技巧練習曲を全曲弾いている人なので、どうということはないのかも知れませんが。

独特の解釈と美しさで「わお!」となった凄いエチュード

3つの新しいエチュードとアンコールの2曲目以外は馴染みのある曲。これまでに、いろいろなピアニストの演奏を聴いてきています。

ユンチャンの凄いところは、超絶技巧の持ち主らしい速さ。「わお!」とつぶやいていました(これが1つ目)。

2つ目の「わお!」は、音の多様さ。鋭く強い音も、太い音も、弱く柔らかとろけそうな音、弱音だけと煌めく音・・・自由自在。あの難易度の曲を、あのスピードつきで表情豊かに演奏できるピアニストは超一流の中でもトップクラスでしょう。

3つめの「わお!」は、独特の解釈。そこで、そう来る?というユンチャン独特の解釈がそこここに。例えば、最後の「木枯らし」から「大洋」に移るところ。激しさ満載の「木枯らし」の後、もっと激しく「大洋」が来るのかと思っていました。しかし、「木枯らし」が終わったら間髪入れずにすぐに「大洋」。しかしすごくソフト。「大洋」は感情を強く出して演奏する人が多い印象ですが、逆に感情を抑えて美しくしなやかに。このような意外さがいっぱいあって、興味深く、全曲集中して聴き入りました。

才能の上の才能だと感じます。
ショパンコンクールの1次、2次あたりを聴いて、「あ、この人、他の人とは全然違う」と思うクラス。ブルースとかチョ・ソンジンとか。優勝しちゃうような方々。そんなレベルではないでしょうか。

・・・で、思ったことは、

ショパンエチュード練習する気がなくなる・・・でした。

こんな凄い演奏目の当たりにしたら、ショパンエチュードは「不可能な曲」としか思えません💦

op.25のユンチャン演奏動画がありました。
こちらは2022年の17歳でのものですが、現在はもっと進化して表情豊かな演奏になっていると思いました。
→<追記>v vv さんに教えていただきましたが、15歳のときのものとのことです。天才ですね・・・。


キャラクターも魅力的

2台ピアノでは、見かけがよく似ている亀井聖矢さんとでしたが、キャラは正反対に近いかもしれません。

「笑うのが亀井、笑わないのがユンチャン」と亀井さんが話されていましが、ユンチャン、本当に笑わない😄 お辞儀は沢山してくれていたし、アンコールも3曲弾いてくれたし、韓国からのお客さんの声援もあったし、機嫌は決して悪くないのだと思いますが、表情が全く変化なし。

弾いている時の動きもそんな大きい方ではありませんが、ここぞ!と力を込めた瞬間、髪の毛が「パフッ!」となります。この「パフッ!」でユンチャンの感情の盛り上がりが伝わり、若者らしい愛らしさも感じられます。

こちらの記事の2枚目の写真がそれです。
↓↓↓


「ピアノに人生を捧げる」と10代で既に仰っている(どこかのプロフィールで読みました)。このような唯一無二のキャラも魅力的です。
今年20歳になるようですが、今後どうなっていくのか、本当に楽しみでなりません。


初めてのシリーズ券「夜ピアノ」

さて、今回は、牛田さん、藤田さん、ボロデンコ、フルネル、ユンチャンの5人のピアニストのリサイタルがセットになったものでした。こういうのを買ったのは初めて。
<よかったこと>
●毎回決まった席。2階でしたが、良席だったので快適でした。
●素敵なピアニストに出会えたこと。ボロデンコさん、フルネルさんとの出会いはよかった。このチケットでなければ聴く機会がなかったかもしれません。
<課題>
●毎回同じお隣さん。詳細は避けますが、ちょっと癖のあるお隣さんで、ほんの少しストレスでした(本当は書きたいのですが・・・時効になってからにします)。「なぜ、そうする?」ということがあって、1回目は「いやだな~。これからどうしよう」と思いましたが、2回目からは、心の準備をしていたので、ストレス度合いはそれほどではありませんでしたが。

次回も素晴らしいメンツ。

申し込んでしまいそうです。

ミューザ川崎に行くときは、ラゾーナのフードコートで腹ごしらえ。充実のフードコートで美味しいごはん満載です。

親子丼、天丼がお気に入りでリピしました。



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