カップの底に茶色い輪っかができる頃
苺のジャムと、クリーム。
銀色のスタンドにはすました顔できちんと並んだスコーンと、ブロックのように敷き詰められたサンドイッチ。おまけにペストリー。今日は苺にコーヒーを混ぜこんだようなブルーベリー色のタルト。
気持ちのいい午後2時過ぎの陽射しは、すり硝子の窓越しに私のことを包みこむ。この席に座って15分ほど経っただろうか。コーヒーが好きな私は、珍しく英国風のカフェに来て紅茶を頼んだ。店内は落ち着いた照明で、外の光と混ざりあってちょうどよい明るさだ。ミルクグリーンに小花柄のテ