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ホタテの推し活について


中国の日本の水産物の全面禁輸を受けて、日本全国でホタテの推し活が広がっています。

このホタテの推し活について、調べてみました。

〈目次〉
1.日本でホタテが推されている理由
2.なぜホタテは安くならないのか?
3.来年のホタテの価格は?


1.日本でホタテが推されている理由
北海道産の水産物の中で輸出されるものの内、ホタテの割合がとても高いことがわかりました。

対策として、まずは国内・北海道内での消費を伸ばしていくことが重要となります。

2022年の日本の水産物の輸出額は、3873億円にのぼります。

全体の輸出額のうち、ホタテの輸出額は1070億円と、品目別のトップの金額を占めています。 

また、下記のとおり、日本のホタテの輸出先として中国がダントツのトップとなっています。中国からの海産物の全面禁輸のため、かなりの打撃を受けていることがわかります。

【日本のホタテ 輸出先トップ3】 
 1.中国(467億円)
 2.台湾(111億円)
 3.アメリカ(78億円)

加えて、ホタテの中国輸出の内、北海道産が日本全体の約8割を占めています。

今回の輸出停止で北海道に入るはずの約400億円が一気になくなってしまい、消費拡大を促すために、北海道発で日本全国でキャンペーン的な動きが始まっています。

2.なぜホタテは安くならないのか?
しかし、消費拡大を促されても、スーパーなどで売られているホタテの価格は安くなっていません。

この理由にせまりたいと思います。

いま、北海道を中心とした水産加工会社のホタテ倉庫には、大量ホタテが積み上げられています。 

北海道内の水産加工業者では、毎年6月~10月末にかけて、オホーツク産のホタテを加工して冷凍貝柱を製造しています。 

例年だと加工と並行して商談も進みますが、今年の7月から商談が一気にストップしてしまい、在庫だけがどんどんたまっている状態になりました。

在庫が大量にあるにもかかわらず、安売りしない大きな要因として、ホタテ業界が抱える構造があげられます。

ホタテを買い取って、かつ、加工しているので、買い取り費用と加工に関わる費用がかかります。

消費者に買ってもらうために値段を安くすると、加工業者にとっては倒産につながるほどの死活問題となります。

実は、ホタテの漁業会社と水産加工会社の間では、輸出停止前にホタテの取引価格が決まっています。

そのため、水産加工会社はその決まったホタテを引き受けざるを得えません。その価格を下回る安値で市場に出してしまうと、巨大な赤字が発生してしまうのです。


3.来年のホタテの価格は?

2023年は、ホタテの価格が決まっていたため、水産加工会社にとっては大きな打撃となりました。

2024年は、漁業会社との価格交渉から始まります。そのため、このまま中国からの輸出停止が続くと、市場価格が下がる可能性もあり得ます。

ただし、市場価格が下がると消費者には手に取りやすくなりますが、ホタテ漁に携わる人や地域の経済、雇用にも多大な影響を及ぼすかもしれません。


このことは、日本経済全体にとっても大きな課題となっています。


以上

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