見出し画像

LM曲線とは(マクロ経済学、IS-LM分析 ①)


IS-LM分析とは、経済政策の効果を計る際に役立分析です。分析には、LM曲線とIS曲線を使います。

本記事は、LM曲線について解説いたします。



LM曲線(LM Curve、えるえむきょくせん)とは、貨幣市場を均衡させる国民所得Yと金利iの組み合わせです。貨幣市場の均衡条件は、

と表せます。Mは外生的に与えられる名目貨幣供給量(名目マネーストック※)、Pは物価水準で、上式左辺は実質貨幣供給量を表します。

※ マネーストックとは、ある時点で経済全体に存在する貨幣の総量であり、具体的には「一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体が保有する現金通貨や預金通貨などの通貨量の残高」を指します。

一方、上式右辺は実質貨幣需要を表す。取引動機に基づく貨幣需要が所得の増加関数であること、投機的動機に基づく貨幣需要が金利の減少関数であることにより、実質貨幣需要は、所得Yの増加関数、金利iの減少関数になります。

上式を下図のY - i平面上にプロットします。初期時点で点Aにおいて均衡が達成された貨幣市場にて、金利水準iを一定として所得がYAからYA’ に増加したとすると、点Aは点A’ へ移動します。

このとき取引動機に基づく貨幣需要が増加するため、上式の右辺が左辺を上回り、貨幣市場に超過需要が生じます。

このとき金利iが上昇し、投機的動機に基づく貨幣需要が減少することで、点A’ において再び均衡が達成されます。以上よりY - i平面上においてLM曲線は右上がりの関係として表されます(図1)。

図1


名目マネーストックが増大したとき、上式の左辺が右辺を上回り、これまでの金利と所得の水準では貨幣市場において超過供給が生じます。

所得水準を固定した場合、貨幣市場において再び均衡を達成させるには、金利を低下させて投機的動機に基づく貨幣需要を増大させる必要があります(図2(A))。

金利を固定した場合、貨幣市場において再び均衡を達成させるには、所得を増加させて取引動機に基づく貨幣需要を増大させる必要があります(図2(B))。

したがって名目マネーストックが上昇したときLM曲線は右下方向にシフトします。

図2(A)、図2(B)



引用先: 「みずほ証券×一橋大学」Webサイト

以上

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?