日記2023/12/31 ナマケモノ急降下

 ゲーム『DRIFTWOOD』を買った。Twitterで観たプレイ動画が面白そうだったから。ナマケモノを操作してスケボーで山を下るシンプルなゲームだ。

 小学生の宿泊研修で、はじめてスキーをやらされたときのことを思い出した。滑り方の基本を教わり、「じゃあ、次はあっちに行こうか」と言われるがままにリフトを上り、ほとんど直角じゃないかと思われる雪の壁の上にたどり着いたところで、「ここから下る」と言われた。ご冗談でしょう、インストラクターさん。
 このゲームをやって感じたのは、あのときそうして滑り降り始めたときの恐怖だった。みるみるうちに上がってゆくスピード。足の裏から伝わってくる情報量は既に処理能力の限界を超えていて、雪の表面のわずかな揺らぎがとんでもないスピードで自分の後ろへとスライドしてゆくのが見える。止まる方法は教わっていたけれども、こんなに早いスピードで練習した覚えはない。空は青い。
 このまま急にスピードをゼロにされたら?
 前から迫ってくる何かを避けられなかったら?
 無理だ! 死ぬ! と思ったところでちょっとしたくぼみに足をとられてバランスを崩し、後ろ向きに転んだ。
 今になって思えばそんなにスピードも出てなかったとは思うのだが、「速さ」というものに対する根源的な恐怖はいまだに身体から抜け落ちてくれない。
 このナマケモノは、あのとき恐怖した「死」をそのまま代わりに体験してくれる。軽率に時速云十キロメートルのスピードを出し、カーブでスピードを殺しきれぬままガードレールやボラードに激突し、対向車線から出てきた車に対応できずに正面衝突し、画面が白黒になって、身体の処理がプリセットのアニメーションからリアルタイムのラグドール物理へと切り替わる。
 そんな感じで安全圏にいながら加速のスリルを味わえるわりとおもろいゲームだと思ったので、みなさまも買ってみればよいのではないでしょうか。キーボードでやるゲームではおそらくないが……(これだと左右の操作が「入力した」「してない」の二値しかないので)。

 SEKIROをちょっと進めた。七面武者とかいうバケモンの倒し方がわかんなくて怖気(即死状態異常)にされ続けていたが、どうやら完全無視でも先に行けそうだなと気が付いたので無視した。覚えてろよあの野郎…………。
 蛇の目シラハギは、近くにいた爆弾投射雑魚を背後忍殺で傀儡にしてから距離をとったところ、一方的に爆弾を投げつけられまくっていた。体力ゲージ一本分くらいはそれで削れてくれたので、苦手なボスだがわりと楽に倒せた。
 そのあと首無し獅子猿が再登場したのでビックリして、それから猿がもう一匹出てきたのでまたまたビックリした。システム的に対複数戦闘がほとんど不可能なんだからボス格の奴を複数召喚するなよ! でも、追加召喚された奴は逃げ回りながらちくちくヒット&アウェイしていたらすぐ倒れてくれたので、そんなに大変ではなかった。首が付いてたときの方が強かったよ、お前。
 なんだかんだで霧ごもりの貴人まで進めた。何の攻撃もしてこなかったんだけど、これで合ってるのか?


 久々に外食でもすっかと思い、ガストに行った。大晦日だし。大晦日にガストってのもちょっと悲しくないか? いいや悲しくない。ガストはご馳走だろ。
 なんかハンバーグとステーキと焼き鳥が全部載ってる謎の鉄板と、それからチョコバナナつきパンケーキを食った。2000円くらい。うまかった。

 晩はザルソバにしようと思って、てんぷらを近所のスーパーに買いに行ったところ、迎春だなんだといって何故か海老天とイカ天とかき揚げしか置いてなかった。おれは普段置かれているカボチャ天と鶏天を食べたかったのに……。
 一番いいてんぷらはカボチャの天ぷらだ。これは譲らない。

 エビもイカもかき揚げもそんなに好きじゃないので、唐揚げを買って帰ってきた。ツユに沈めて食ったが、まあ合わないでもなかった。

そば

 この画像を家族に共有したところ、「水で蕎麦食ってんの?」という返信が返ってきた。元気そうでよかった。

 そういえば、てんぷらを買いに行ったついでに餅も買ってくるべきだった。そうすれば新年一発目の朝食を餅にできたのだが。くそう。


 2023年はどうでしたか、と言われると、結構よかったのではないか、という感触である。
 学校の成績は相変わらず大変なことになっているが、10月に出した「新しい神椿を生きるための12の小説」はチョー楽しかったうえ無事に完売できたし、所属サークルでは自分の特集企画を出すことができた(いま記事を見返すともうちょっとアレやコレもしときゃよかったなというものがあるけれども)。
 いずれにせよ様々な方々にサポートしてもらわなくてはできなかったことだと思うので、たいへんありがたいことだ。
 文章という媒体で云々することをようやっとはじめられた年ともいえるかもしれない。

 楽しんだコンテンツの観点では、いままで観なかったジャンルの実写映画をいろいろ観たり、teardownやアーマードコア6などのPCゲームに手を出してみたり、なんだかんだ活動領域を広げてきた。とくにアーマードコア6は、操作しているだけで楽しい! という異様な体験を衝撃とともに与えてくれたゲームだ。

 まとめてみると、いままでなんとなく食ってなかったものの味をいろいろ知った一年だった、ともいえそうである。イカとエビにも挑戦してみるべきかしら。

 自分という人間そのものは何も変わってないな、という実感はあるけれども、しかし去年の自分と比べればちょっとは考えをいろいろ回せるようになったのではないかとも思う。よくわからん。

 来年のことを言うとなんとやら、という言葉はあるけれども、来年の抱負を書いておく。来年末に見返して憂鬱な気分になるためである。

 といって、何も思い浮かばなかった。

 来年に向けて動いている企画もある(例:期末試験)ので、まずはそれらを楽しく完遂しよう。それから、また新しく何かもうひとつふたつくらいできれば、及第点というところではないかしら。

 いずれにせよとりあえず進級だけはしておいてほしい。我らが一家の総留年回数を5からこれ以上増やすわけにはいかないのだ。


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