森山至貴 x 四元康祐 往復書簡「詩と音楽と社会的現実と」:第五回
vol. 9 from Y to M:
ご返事遅くなってごめんなさい。森山さんからのお便りをいただいた直後、中国・成都の詩祭に出かけていたんです。中国を訪れるのはなんと三十年ぶり。当然ながら以前とは大きく変化しているところも多々ありましたが、その一方で忘れていた当時の思い出が生々しく蘇ってくるような懐かしさもしばしばでした。国家というものも、ひとりの人と同じで、変化と継続が同居しているのですね。
今回改めて印象に残ったこと、ふたつ。ひとつは活字のパワーでした。成都と言えば