見出し画像

ライオンは寝ている時間の方が長いはず

肉食動物というと何を思い浮かべるでしょうか?
ライオン?トラ?チータ?

他にもいるかもしれませんが、TVなどでは彼らが狩りをする場面を子どもの頃から散々目にしてきました。
全てが狩りをするシーンとは限らず、のんびり過ごしている姿も映し出されていたものの、やはり見どころは獲物を追いかけたり、仕留めたりという場面だったに違いありません。

しかし、こうした番組などを通して一般の人々が彼ら肉食動物に対して描くイメージと、そうした動物を研究対象として長きに渡って観察し続ける生態学者の持つ考えは全くかけ離れているのではないか?と思うことがあります。

例えばライオン。狩りをする場面だけではなく昼寝をしている場面も良く目にしてきました。
生活のトータルな時間の中でライオン達が果敢に狩りをする時間はほんのわずかなのかもしれません。
正確に言うと狩りのために獲物を探し出したり、待ち伏せたりという時間は長いのかもしれませんが、それでも実際に獲物に襲い掛かっている間はそれ相当の神経と体力を要するはずで、そんなに長時間にわたって続けるのは不可能でしょう。ライオンの側だって、獲物の反撃にあって命を落とす危険性もあるでしょうし。

チータはどうでしょう?自足100㎞を超えるスピードで狩りをします。
が、彼らはガソリンエンジンで走る機械とはわけがちがいます。
まさかそのスピードで1時間も2時間も走り続けて狩りをするわけではないはず。
チータは俊足ですが、ある一定の時間を超えて速いスピードで走る続けると脳にダメージを与えると聞いたことがあります。
ライオンと同じように、狩りをするにしても、動物の気配を感じるところから狙いを定めて間合いを取ってといった時間も加味すると、実際に爆発的な速さで獲物を追い回すのはわずかな時間のように思います。

そしてチータもやはり狩りをしていない時間の方が一生のうちで圧倒的に長いでしょう。

ライオンもチータも一生のうちに1頭で何千匹もの獲物を捕獲するわではないと思います。
もしかしたら、毎日食事にありつけているわけではないかもしれない。

しかし、私たち人間、いや先進国の人というべきか、はとにかく毎日のように肉を口にすることができます。
バランスのいい食事、と称して出てくるものの中には必ずと言っていいほど肉が入っているはずです。


先日、公園を散歩していたら、ある男の人がワンちゃんとブタさんを1匹づつ散歩していました。
ちょうどわんちゃんを散歩しているご夫婦らしカップルの女性の方が、その男性に話しかけたので内容を聞くチャンスに巡り合いました。

なんでも大きくならないマイクロブタという種類だそうで、今はちょうど1歳になろうというところ。10年から20年生きるそうです。そのブタさんはとっても甘え坊で飼い主の男性は「いつも添い寝をしています」と話していました。

ブタさんと言えば不衛生な環境で飼育されている動物というイメージがあるかもしれませんが、それはあくまで人間がそうさせているだけのこと。
彼らが好き好んで選んだ環境ではありません。
添い寝をすることだって、本当はできるんです。

私は散歩するブタさんを初めて目にしたのですが、もしかしたらそう珍しくない光景になるかもしれませんね。


ワンちゃんを食するという文化は日本にはありません。
猫ちゃんを食するという文化も日本にはありません。
小鳥を飼う人はいるのに、大々的にフライドチキンを食べるのか考えてみれば不思議です。

ブタさんを飼う人が増えたとして、その頃私たちは今と同じように豚肉を口にするでしょうか?


畜産業を背景にした人間の食肉消費量に比べれば、野生の肉食動物はほんのわずかな量のに肉で生き延びているのではないでしょうか?
獲物の群れに、ライオンがチームで立ち臨んだとして、おそらく仕留めるのは一頭の獲物。群れの全部、あるいは10頭も20頭も一度に仕留めるわけではありません。

しかし、人間は言わばその群れを飼いならして、そしてその群れ全てを食べている(消費している)のでしょうね。


そういえば、ブタさんを飼っているいる人が海外にいるのは以前から知っていました。
しかしついに日本にも現れたわけです。
ペットとして飼う事の是非はひとまず置いておいて、もし散歩しているブタさんを見かけたら、自分の食生活をちょっと思い浮かべてみてください。
何か頭の中でひっかかるころがあれば、私はうれしく思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?