砂時計-after story-
砂時計をひっくり返す。サラサラと時間が下に下に積もっていく。積もっていく砂はどこのものだったか。たしか観光地になるくらいの砂浜の砂を使っていた様な気がする。
許容できるだけの時間が過ぎると、またひっくり返す。全く同じ時間を要して全く同じ砂が全く同じく積もっていく。時間というものはこれだなと男は思った。限りある容器に放り込まれた自分というものが、今日も変わりなく積もっていく。それが増えることも減ることもない。性質が変わることもなく、色や形をそのままに繰り返し繰り返し。時々変化が