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【読了】シュガーアップルフェアリーテイル 砂糖林檎編 

間が空きましたが、読み終わりましたのでまた感想を書きます。
この長い物語も、あと6巻。
アンとシャル、砂糖菓子職人の物語はどう終わるのでしょうか。
(前後編でお届けするといったが、あれは嘘だ!!)

↑で完結になります。
(2023年に続編が出ました! アニメ1クールが終わり、2クールは2023年7月にオンエアされます!!)

いつもは3巻で一区切りという構成だったのですが、クライマックスは6冊で一区切りになっています。
読み終えたのも去年の11月頃ということで、お話を思い出しながらレビューしていきたいと思います。

ミスリルが寿命で死んじゃう!! 何とかしなきゃ!
とアンが奔走するのがお話の始まりです。

まず、この物語でいう”妖精の寿命”について振り返りますと――。

あ い ま い です。

ただ、妖精は”何かの視線”で生まれるものであり、水滴や草木、樹木、鉱石と起源は様々です。鉱石や樹木から生まれた妖精は長寿で、草木から生まれた妖精は短命、水滴や海から生まれた妖精は長寿か短命か分からないと区分することができます。

ミスリルの場合、水滴から生まれた妖精なので長く生きるものもいれば、短命でもある種です。
寿命を延ばす方法として、”質の良い砂糖菓子を摂取する”というものがありますが、前回の【砂糖菓子妖精編】で語られているように、一年、三か月、一か月と効力が衰えるとか。
銀砂糖師であるアンの砂糖菓子でも十分に効力は発揮します。
ですが、ただ命をつなぎとめているだけで、根本的な解決にはならない。

でも、例外が一つあります。
仮死状態だったラファルが生き返っていること。
アンはその力を使えば、ミスリルは助かるかもしれないと一縷の望みをかけ、シャルと共にラファルを探すことになります。

一方、ラファルは兄弟石であるエリルと行動を共にしていました。
エリルは妖精として生まれたばかりで、ラファルの言葉がすべてだと思って生きています。
ラファルとエリルの関係は、例えるなら親鳥とひな鳥のようですね。
だけど、エリルはアンと関わってゆくうちに、ラファルの思想に疑問を抱くようになります。

【砂糖林檎編】において、キーになるキャラクターはエリルです。
エリルの行動次第で、物語がバットエンドを迎えるかハッピーエンドを迎えるか大きく左右されます。
妖精として生まれたばかりのエリルが、様々な人と妖精に関わり、何が正しくて何が悪いのか苦悩し、最終巻で自分なりの答えを出す姿が私は良かったなと思います。

話は戻り、妖精には”魔法”のような不思議な力をそれぞれ持っており、エリルは『能力を代償に寿命を延ばすあるいは蘇生する』力を持っています。
ラファルはそれで仮死状態から蘇ったわけです。
ミスリルはその力で寿命を延ばすわけですが、代わりに”水滴を出す能力”を失います。まあ、あってないような力ですけど(笑)

ただ、ラファルによって瀕死の怪我を負ったアンが負った代償は重かったですね。
アンにとっては自分のすべてを失ったようなもので、読んでいた私も絶望してました。
そのような状態でも、アンはあきらめず、一から努力します。
仲間の力を借りたり、砂糖菓子妖精の力を借りたり。
その成果もあって、アンの砂糖菓子生成の技術はいっそう磨きがかかります。

アンが成長する一方で、銀砂糖を精製する砂糖林檎に異変が。
今年収穫した砂糖林檎から銀砂糖が精製できないのです。
原因は去年の銀砂糖が”一握りの銀砂糖”になっていないこと。
このままでは、世界から銀砂糖が消え、砂糖菓子が無くなってしまう!?
それでは銀砂糖妖精の仕事が無くなり、アンとシャルが理想とする”人間と妖精との共存”が崩れてしまいます。

アンは”一握りの銀砂糖”を見つけ出し、今年の砂糖林檎から銀砂糖を精製し、人間と妖精の共存の道を示すことが出来るのか。それをラファルが阻止し、五百年前の世界に、妖精が人間を支配する世界に逆行してしまうのか。

……【砂糖林檎編】をおおまかに語るとこんな話だったと思います。
とても面白くて、一気に読み進めた覚えがあります。
伏線を全部回収し、アンに試練を与え、シャルとラファル因縁の対決をする。簡単にまとめるとそんなお話です。
既存のキャラクターたちだけでは、上手く終わらせることは難しく、【砂糖林檎編】から活躍するエリルがいたからこそ、上手くまとまったお話なのかなと自分は思っています。

一番驚いたのは、アンの母親について明らかになることですね。

アンの母親はどうして女なのに、銀砂糖師になれたのか。

そこについて、今まで全く掘り下げられませんでした。
ヒントとして【銀砂糖妖精編】で、アンがかぎ針のような道具を持っていたことにルルが驚くシーンくらいでしょうか。
普通の銀砂糖職人は”持っていない”道具なんです。

だけど、アンの母親はその道具の使い方を”知っていた”にも関わらず、それを使わずに銀砂糖を作っていたことが今回のお話で明らかになります。
アンに継承されなかった理由も分かります。

『お母さんは病気で死んでしまった』
この設定さえも【砂糖林檎編】で見方が変わるので、アニメ勢、小説読んでくれ!!
2クールだとペイジ編で終わりそうだから(予想)!!

最後に、2クール目が7月にあるので放送をとても楽しみにしています!!
全17冊の長い旅はひとまず終わり。完走できて満足です。
次回は新シリーズの読了レビューになります。
また、どこかでお会いしましょう!!
(他に短編2冊と続編あるけど、各自で楽しんでね!)


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