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【読了】リリー骨董店の白雪姫・総括

全3冊読み終わったので、総括します。
読んだ本は以下の通りです。

全編読んだ感想として、キャラクターの心情や物語が”綺麗”だったなと思いました。

クレアとジェレミーの恋物語はハッピーエンドになるのですが、いわくつきのジュエリーの持ち主たちは全て悲愛になるのが対照的で面白いですね。
あと、巻のモチーフに<童話>が込められているのがいいですね。
2巻は人魚姫、3巻は不思議の国のアリスがモチーフとして置かれています。

クレア自身も<白雪姫>と呼ばれており、モチーフになっているかなと感じました。これは個人の所感ですが、クレアの髪色が雪のように白いから<白雪姫>と呼ばれているのと他に、”魔女””毒林檎””動物と仲良し”と言ったキーワードも込められているかなと思います。

”動物と仲良し”というのはディズニー版の白雪姫になりますが、小動物たちと戯れているシーンから感じます。これはニホンリスのオーガストを指すかと。
”魔女”というのは、クレアの先祖レディ・アン。
”毒林檎”というのは、当主の最愛の人が死んでゆく、マーチ伯爵家の呪い。
もし、そうであればキャラクター像も相当練ってきているなと思います。
まあ、これは私の考えであるんですけどね。

宝石・恋愛・童話。
女の子が好きなやつやん!!をぎゅっと詰め込んだ物語でした。
1巻のレビューで『伯爵と妖精』に似ているってマイナスなイメージが付いてしまったのは残念だなと思いましたね。
せめて刊行が2013年じゃなかったら……、と惜しまれます。

ここから、2,3巻それぞれの所感を書いてゆきます。

2巻について。
ジェレミーの異母兄バートが弟を通じていわくつきのジュエリーをクレアに持ってきます。
また問題を持ってくるのかジェレミー。
持ってきたのはエメラルドの指輪。バートの母親、故伯爵夫人が持っていたアンティークジュエリーです。
クレアがそれに触れると『海に帰りたい』という言葉が聞こえます。
まあ、前巻のラプンツェル・ダイアモンドの様に誰かの魂がジュエリーに込められているんですよね。
このエメラルドの指輪、誰から買ったかというと……、300年変わらぬ姿で生きている宿敵ロビンではないかという事実が判明。
ジェレミーの異母は誰かを呪い殺したということになります。

クレアはエメラルドの指輪の持ち主を突き止め、解放してあげたいとジェレミーとセドリックと共に調査します。
エメラルドの指輪に名前が無いのもと、指輪に印字された<マイ・プリンセス>という文字にちなんで”エメラルド・プリンセス”と名付けます。はい、副題回収です。

調査の結果、漁業や貿易の商いをしていたバークリー男爵のものであったことが判明。それだけではなく、バークリー男爵の当主は家系を辿るとバートである事実も分かります。
ここから怒涛の展開があり、最終巻に続いてゆきます。
当然、ロビンとバーナードも登場して邪魔をしてきます。
エメラルド・プリンセスに込められた物語は、『海に帰りたい』という言葉の意味は?それは原書でお確かめください。

最終巻の感想を書きます。

とうとう出てきましたエデン・ブルー!!
エデン・ブルーという言葉だけで、それが一体何の宝石なのか見当もつきませんでしたが、ブルー・ダイアモンドの首飾りだということが分かりました。
そしてアンとバートとジェレミーの先祖ラルフが幼馴染で、二人はエルズミア侯爵家の屋敷でよく遊んでいたらしいことがラルフの手記で判ります。
エルズミア侯爵家が没落し、持ち物がオークションに出されるとか。
その中にブルーダイアモンドがある噂が。
クレアたちはそれがエデン・ブルーでないかと考え、エルズミア侯爵家へ向かいます。もちろんロビンとバーナードもいます。

クレアたちは、エルズミア侯爵家の屋敷内を捜索していましたが見つけられず、屋敷の外の森の中にあるのではないかと考え、探索を始めます。
その間、クレアはジェレミーとすれ違います。
クレアは自身の思いに気づき、マーチ伯爵家の呪いでジェレミーが犠牲になってしまうのではないかと恐れ、苦しむ。
ジェレミーはクレアが自分のことを「好き」「嫌い」どちらなのか。

終盤はエデン・ブルーを見つけ、レディ・アン・ジュエルの、アンの秘めたる思いも暴かれます。
クレアとジェレミーの恋の行方は、アンの秘めたる思いは、マーチ伯爵家の呪いは解けるのか!?

最終巻は後日談、短編が2つあります。
それも本編を補うお話なので、楽しめると思いますので是非本書をお楽しみください!!


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