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日本の食料自給率を100%にすると不幸になる真実

日本の食料自給率はカロリーベースで37%、金額ベースで67%です。
有事の際この食料自給率の低さを問題視したり、選挙の際に食料自給率を上げると言い出す議員がいますが、実際に食料自給率を100%にしたらどうなるかデータからRe:Hackしてみた。

まず簡単に食料自給率を説明すると、国内で生産された食料から輸出・輸入された食料を足し・引きして消費量で割って求められます。また、肉や卵、牛乳などの畜産物はその餌となる飼料ベースで計算されます。つまり、肉や卵、牛乳などが日本国内で生産されていても輸入飼料を使っているため低くなります。そうです、家畜の餌さえも国産にする必要があります。

さてそろそろデータを使って、どうやったら食料自給率を100%にできるか考えていきましょう。まずは世界の農地がどうなっているか見ていきましょう。参考にするのはWikipediaの「世界の土地利用の一覧」。日本のランキングは51番手。この時点で絶望感が漂い始める。世界の農地を人口で割ると一人当たりおおよそ2200平方メートルになる。つまり一人当たりそれだけの耕地が必要になると言う事。それに対して日本は370平方メートルしか無い。およそ16.5%しかないのだ。

次に一人当たり370平方メートルしかない土地でどれだけ作物が作れるか調べてみた。主食となりそうな米や小麦が面積当たりどれだけ収穫できるか。こちらは農林水産省のページから見ていくと・・・10a(1000平方メートル)あたりおおよそ500kg採れる。次に3食365日食べると仮定して年間の消費量を計算すると・・・110kg食べる。この量を生産するには220平方メートル必要になる訳で370平方メートルから引くと。。。残りは150平方メートルになる。

取り合えずこの残り150平方メートルで取り合えず大豆に全ぶりしてみた。同じように農林水産省のページを覗くと10a当たり154kg採れると。。。150平方メートルから23kg収穫できる。1日当たり63g。大豆が採れるのが夏だから冬には小麦を植えて。。。味噌・醤油の出来上がり。

この時点でご飯と味噌汁は確保したが肉はおろか卵もない。。。いやいや、この日本海に囲まれて魚が獲れるではないかと言うことで今度は水産庁から一人当たりの魚介類の年間消費量を計算すると36.6kgとなり1日当たり100g食べられます。

という事で日本が食料自給率100%になると

1日3食、ご飯に味噌汁(具なし)で1日魚一切れ


これが食料自給率100%の現実です。

これでは結論としてあまりにも建設的でないので日本の在り方は、日本の強み、言い換えれば世界一美味しいお米や果物を輸出して生産額食料自給率を上げて世界の平和を祈りましょう。


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