見出し画像

北欧旅④【SJ2000でストックホルムへ】

 コペンハーゲン中央駅から、国境の町、マルメまで20分間の鉄道移動。ここから、スウェーデン国鉄の高速列車SJ2000に乗り換えて、首都ストックホルムを目指す。600kmの距離を5時間半かけて移動する。


最高時速200キロ前後と、日本の新幹線には最高速度では全くかなわないが、一等車両(といっても日本のグリーン車と自由席ほど値段の差はない)だと、2列+1列のゆったりしたシート構成な上、カーブで客車への遠心力を減じる車両傾斜機構を備えているそうで、走行時の快適性はこちらの方が圧倒的に高い。それほど高速でないため静粛性もいい。サイレント車両ではなかったが、乗客の会話音さえほとんどなく、車両内の無料WiFiを利用しているのか、MacBookを開いてヘッドホンを付けて音楽を聴いている乗客がやたらと多い。


 なにより、日本の新幹線と違いレールが遮音壁によって、囲まれていないこともあって、車窓からのスカンジナビア半島と群島の自然豊かな景観を眺めることができるので、全く疲れを感じない。


 この車両の車掌の仕事は、無料のコーヒーと紅茶用のポットのお湯、それとカゴに盛られたリンゴを切らさないようにこまめに補充すること。もう一つは、切符購入時にランチを注文した乗客に車掌さんが作ったチーズとハムのサンドイッチを配ること。


 乗客は、小腹が空くと車両後方のリンゴをとってきては客席でかじったり、熱い飲み物を啜っている。途中、国境を越えたのに、パスポートの確認さえされぬままストックホルムに到着。なんとものどかな国境列車旅だった。