夏フェスに行った話

少し前の話だが、ロックフェスというものに初めて参戦してみた。今回はその感想を書く。

導入や曲間の使い方にジャンルや個性が出る

 純粋なロックバンドの方がおもむろに始まるような演出をしていた。逆にヒップホップや舞台系のアーティストはまっすぐ出てきてお辞儀をして始まる形(どちらかというと声楽や演歌のような)が多く感じた。
 これはMCについてもそうで、ロックバンドの方があまり慣れあわずに「ついて来させる」スタンスでのMCが多く感じたのに対し、ヒップホップではほとんど対等な立ち位置での振る舞いをし、舞台系(アイドル系?)では母性的なスタンスが感じられた。これがそれぞれのアーティストの個性なのかジャンルごとの性質なのかは断定できないが、各ジャンルの哲学と呼応しているように感じて面白かった。

声質の暴力

 Vaundyは声がいい。クリープハイプも独特で真似できないものを持っている。ライブで聞くとこの声質をよりはっきり感じとることが出来た。
 そう考えると、売れているバンドの中で一定数は確固たるクセを持っていると思う。あるいは、持って生まれたクセを自分のものに出来たバンドたちなのだと思う。彼らと比べると、ユニゾンやyoasobiなどは声自体にはそこまでクセがなく、これらがほとんど同じ文脈で売れていることを考えるとポップスとはなかなか複雑な世界だなと思う。

乗り方について

 古き良きロックやレゲエなんかならともかく、現在のポップスのリズムはすごく多様化していると思うので、聴衆(ヘッズ?)の手の振り方が限られたパターンしかなく、それも同調圧力か何かでほとんど統一されていることは結構違和感があった。と言いつつ僕は周りに合わせた。

フェスにおける「成功」

 結構多くのアーティストが、「〇〇(そのフェス)の成功には皆さんの力が必要です」といった趣旨のメッセージを発していた。中身は、健康に帰ること、もめ事を起こさないこと、しっかり楽しんで帰ることの3つに大別される。フェスの成功の定義としてこの2つが挙がるのは運営側およびアーティスト側から考えれば当然と思うが、客の立場で自分が考えたときにはこの定義にはならなさそうだなと思った。(この理由が未だに自分でよく分かっていない。そのうち何か書くかもしれない)そういえば学園祭やら文化祭でも似たようなことを言われていたなと思った。
 また、少し前の話題としてあるDJがボディータッチの被害にあったとの告発をしていたが、この対策かはわからないが水曜日のカンパネラはバルーンに入って客の上を転がるというパフォーマンスをしていた。確かにこれなら、安全性はともかくとしてボディータッチは出来ない。すくなくとも観客側は守られるわけで、賢いなと思った。一方で、コンプラ的にまあアウトな歌詞を叫びにかかっていたバンドもあったので、結局超えてはいけない線というのも世論次第というかトレンド次第なんだろうなとも思う。ともかく、こういった取り組みもあり本フェスは「成功」したらしく、僕も無事に楽しんで帰ることが出来た。

締めくくり

 まとめると、なかなか楽しかったです。勉強にもなりました。女王蜂のライブに行ってみたいです。

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