隠れ家の不良美少女 29 希和の家で
希和の家へと到着する。希和のお母さんも和かに迎えてくれた。
「どうもお世話をおかけします」申し訳なさそうにしている。
「いえ、好きでやってる事なんで気にしないでください」
「お母さん、剣と盾を見て」
「あら、すごくよくできてるのね」少し驚いたようだ。
「ほら光るのよ」そう言ってスイッチを入れた。
「まあ……素敵」片手で口を塞いで笑っている。
「すみません、勝手なことをして」俺は頭をかいた。
「この盾の紋章はどうやって作ったんですか?」
「これは3Dプリンターで作りました」
「そうなんですか、実は頭につけるティアラにもついてるんですよね」
「そう言われてみたら、確かについてたような」何となく思い出す。
「どうしよう思ってたんですけど………」
「じゃあ俺が紋章だけ作りましょうか」
「そうして頂けると有り難いです」
「できたら希和ちゃんに渡します」
「ありがとうございます」
希和は出来た衣装を着て見せた。
「どお……似合う?」
「おお、凄いな、流石はプロの仕事って感じだ」
希和のお母さんは少し照れているように感じた。
そこへ美奈さんたちがやってくる。
「こんにちは相沢さん、最後の仕上げをよろしくお願いします」
「はい、中へどうぞ」
「あら、希和ちゃん衣装出来たんだ、凄くカッコいいわね」
一緒に来ていた女の子も驚いた。
「これを見てください」剣と盾を見せている。
「凄い、本物みたい」
少し奥ににいた俺に気がついたようだ。
「一瀬さんもいらっしゃってたんですか、こんにちは」
「あ、どうも」俺は頭をかく。
「剣と盾は友希さんが作ってくれたんです」希和は誇らしげに言った。
「一瀬さんって器用なんですねえ」美奈さんは頷いて感心している。
「初めまして谷口詩織です」横にいた女の子が挨拶してきた。
「あっ、初めまして一瀬です」俺は挨拶する。
詩織さんが希和を見て「もしかして……(仮)の?」目配せしながら首を横にした。希和は舌を少し出して笑った。
「もうすぐですね池袋のフェスは」美奈さんが言った。
「そうね、何とか間に合わせないとね」希和のお母さんは頷く。
「一瀬さんも応援に来てくれるんでしょう?」美奈さんが聞いてくる。
「えっ……俺もですか?」
「友希さん絶対に来て」希和が袖を引っ張る。
「まあ……今のところは予定もないし……」
「絶対に来て、約束よ!」希和はさらに袖を引っ張る。
結局池袋のフェスに応援に行くことになってしまった。
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