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隠れ家の不良美少女 108 札幌の準備

本庄の事務所では札幌の準備が始まった。札幌では街中の大通りをパレードする予定だ。いつもと勝手が違うので準備も変わってくる。

キナコの衣装も歩きやすい様に改良された。
パレードでキナコのガード方法も今回新に考えられた。
なんと明くんが騎士のコスプレでキナコの横を歩く計画だ。
キナコのやっているゲームのコスプレだが、実際のゲームでは騎士がお姫様を守りながら旅をする。そこで明くんの登場となった。
明くんはかなり嫌がったが、詩織さんの一言で決定した。
俺も騎士の槍や剣などを作る事になった。
ゴール地点ではアートシンクとSONEレコードのテントが用意される事になっている。一般の人も多くいるので、少し感覚が違ってくる。

日曜になり俺はガレージハウスに来ていた。早速明くん用の剣を作っている。
希和も来ていて部屋の掃除をしていた。ここは希和がくつろげる数少ない場所になっている。

お昼になったので天空カフェにやってきた。
希和はいつもの不良少女ファッションで一緒に来た。
新くんはやや疲れ気味でキーボードを叩いている。

「お疲れ様」俺は新くんの前に座った。

「やあ、お疲れ様、順調に進んでる様だね」ニッコリした。

「新さん、大丈夫ですか?」希和が心配そうに新くんの横へ座る。

「やあ希和ちゃんお疲れ様、見たよ仙台のまなこちゃんとのライブ、カッコ良かったねえ」

「そうですか、新さんに褒められると凄く嬉しい」
「キナコちゃんの新な魅力が開花したような気がしたなあ」

「ホント?やったあ」希和は満面の笑みになった。

「さすが、新くんはポイントをしっかり見てくれているんだね」俺は頷く。

「こうなると新しいアルバムんを作るなら、アップテンポの曲も欲しくなるよえ」

「ミニアルバムが完成したら、次はダンスナンバーとか欲しくなるなあ」

「希和はダンスとか習った事ないよ」不安な顔だ。

「大丈夫だよ、この前のライブを見てたら、カッコよかったし」新くんが親指を立てる。

「確かにまなこちゃんと二人でステージを走り回ったのはカッコよかったなあ」

「あれはお母さんがこんな風に動いたらってアドバイスしてくれたから………」

「そうだったんだ」俺は改めて納得する。

「希和ちゃんのお母さんは凄いねえ、プロだなあ」新くんも感心した。

「新くんはどんな状況なの」俺は少し心配になって聞いてみる。

「うん、社員食堂を作ったんだけど思ったより好評で忙しいんだ、それに社員用託児所も作っていて、もう何が何だかって感じ」

両手を広げてギブアップのポーズをした。

そこへ綾乃さんがやってくる。

「ちまきとお団子汁のセットよ、新メニューなの」ニッコリ微笑む。

「新くん忙しそうですね」

「そうなのよ、パパのお気に入りになったのは良いんだけど忙しくて大変、会社に新さんを取られちゃったような感じ」少し頬を膨らす。

新くんは少し小さくなった。

「じゃあ早く結婚しちゃえば良いのに」希和は何気なく言った。

綾乃さんがチラッと新くんを見る、新くんはさらに小さくなった。

俺は希和が地雷を踏んだと感じた。

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