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隠れ家の不良美少女 24 2回目のお泊まり

朝目覚めてリビングへ降りてきた。
「やっちまったなあ…………」独り言を言いながらスマホでメールする。
『すみません、風邪をひいてしまったので、今日は休みたいと思います』
『了解、無理ぜずゆっくり休んでください』小宮さんから直ぐに返事がくる。
『仕事の事は影山に連絡しておきます』
『了解、宜しく』

メールを終えてコーヒーを入れようとしたら、何か音がする。
「おや?……」
テントの中を見ると、希和が子供のような寝顔で寝息を立てている。
「こら希和!起きろ!」
「ううん……」眠そうにしている。
「何寝ぼけてんだ!勝手に泊まりやがって」
「おはよう」
「おはようじゃ無いだろう」
「友希さん風邪は大丈夫?」
「えっ……うん……大丈夫だけど……」
「よかった」嬉しそうに微笑んだ。
「何勝手に泊まってんだよ」
「ちゃんとお母さんにも言ったし、新さんや綾乃さんにも言ったよ」
「そうなのか?」
「うん……」

「ありがとうな…………」
「よかったあ、友希さんが元気になって」抱きついてきた。
「風邪がうつるから離れろ」
「うつってもいいもん」
「希和にうつったら希和のお母さんに怒られる」
「うつったら友希さんに看病してもらう」嬉しそうに言った。
「何だそれ……」

「そうだ、綾乃さんが煮物を持ってきてくれたの」そういうとレンジで温めている。
「じゃあ一緒に食べよう」パックのご飯も温める。
「うそ!何だこれ!」
「えっ!どうしたの?」
「ここの煮物……超うまい!」
「ほんとだ」
「新くんは毎日こんな美味しい料理を食べてるのか……」
「すごいね」希和も感心している。

「仲が良いはずだ」俺は頷いて納得する。
「そうだね」希和も納得した。

「今日はお仕事に行くの」希和が心配そうに聞いて来る。
「今日は休むって連絡した」
「そう!じゃあ一日一緒に居れるね」嬉しそうな顔だ。
「何喜んでるんだよ」
「へへへ……」憎めないゆるい笑顔だ。

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