隠れ家の不良美少女 137 希和のお小遣い
俺は高崎から児玉へ来た。希和が一人でお留守番している。
「おかえりなさい友希さん」すぐにゆるい笑顔でなついてきた。
「今日も一人か?」
「うん、お母さん衣装作りが忙しいの」
「そうか、ご飯食べたか?」
「ううん、お腹すいた」
「じゃあ何処かへ食べに行くか?」
「ウニコスに行きたいから不良少女に変装する」
「わかった」
二人は車に乗りウニコス上里へやって来た。
「何が食べたいんだ?」
「カレー、フライドチキン、コールスローサラダ、クレープ」
「全部かじるだけか?」
「そうだよね、全部食べられないから………でもちょっとずつ食べたい」
「珍しいな、希和が色々と食べたいなんて」
「だって希和はお小遣いが上がったんだよ、みんな自分で買えるんだよ」
「へえ〜」
「月に5万円だよ!凄いでしょう?」誇らしげに言った。
「えっ?………希和は今自分がいくら収入があるか知ってるのか?」
「ううん、知らない、お母さんにお小遣いもらうだけだから」
「そうなんだ」
「お小遣い、前は月に5千円だったけど、今は5万円だよ、相当贅沢できるよ」
「…………よかったな」俺はただ笑った。
「好きなもの頼んでいいぞ、食べられない分は俺が食べるから」
「やったあ!友希さん優しいなあ」またゆるい笑顔になった。
希和はバターチキンカレーをナンにつけ小動物のように食べている。
結局半分も食べられなかった。
残りを俺に渡しサラダを食べた、その後フライドチキンを一個だけ食べた。
そしてクレープの半分を別腹に入れた。
「もうダメ〜!」
俺は残りものを食べた。
「ねえ友希さん、新さんとの話はどうなったの?」
「週一プリンちゃんとキナコで配信する事になった」
「そう、プリンさんとなら楽しそう」希和は嬉しそうだ。
「毎回違うコスプレで二人出るんだぞ」
「そう、じゃあお母さんますます忙しくなるね」
「そうだな、でもKKステージは有名になるぞ」
「そうだね」希和は少し考えているようだ。
「友希さんはマサキの社員になるの?」
「俺はプロデューサーとして契約する事になった」
「じゃあマサキに通勤するの?」
「いや、必要な時だけ行けばいい契約だ」
「そうなんだ、じゃあお給料は安いの?」
「そうだな、ドームの時ほどじゃないな」
「いくらなの?」
「年間500万で契約した」
「えっ?ごひゃくまん?500万っていくら」希和は眉を寄せ不思議そうな顔だ。
「…………」俺は両手を広げオオマイガーのポーズで笑った。
希和は眉を寄せて唇を噛んだ。
「友希さん、ウイングからもお給料が出るんでしょう?」
「そうだな、同じようにプロデュサーとしてギャラが出る」
「そっちはどれくらい?」
「多分同じくらいかそれ以上」
「って事は〜……凄い!お金持ちだ!」
「まだ全部入ったわけじゃないぞ」
「友希さあ〜ん、希和にお洋服買って」猫撫で声を出す。
「じゃあ、KKステージに注文するか?」
「私『シマクラ』がいいの、衣装じゃ無いのが少ないの!」頬を膨らした。
「お小遣い上がったんだろ?」
希和は唇を尖らせさらに膨れた。
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