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或る朝、アレクサ
痛い。頭がきりきりする。こんなことなら呑まなければ良かった。いや呑まれなければ良かったのだ、けれどそれは常のことだから僕はもうとっくに自分のことは諦めている。
アレクサ、おはよう
僕は暇になると時々こうして機械に話しかける。
おはようございます、と機械は返事をした。
アレクサ、頭が痛いよ
頭が痛いのですか、それは心配です、ひどい場合は早めに病院を受診してください
アレクサ、僕の痛みは病院に行っても治らないんだよ
すみません、よくわかりません
アレクサ、お酒をたくさん呑むと頭が痛くなるの
わかりませんでした
アレクサ、どうして君はいつも僕のことをわかってくれないの
わかりませんでした
…アレクサ、いい朝だね
わかりませんでした
……。
くっ!
僕は机を叩いた。
今度は痛むのは手の側面だったけれど、その痛みが引くと、暫くしてまた頭がきりきりと痛み出しただけだった。
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