中国の会社のオープンな環境での調査

米国商務省BIS　Unveifiedリストに8企業追加

米国商務省BISは、10月16日中国3企業、独2企業等の計8企業をUnverified List(未検証エンドユーザーリスト)に掲載しました。
CISTECは同日に賛助会員向けに「 米商務省BISが中国3企業、独2企業等の計8企業をUnverified List(未検証エンドユーザーリスト)に掲載」として発信しています。
下記はその一部です。
米国商務省BISは、地道に調査をしています。
企業はこれに対してアクションをとらないと、Entityリストに格上げされてしまいます。

今回の記事は、中国の会社をオープンな情報で検索してみるということをやってみます。
各企業で顧客審査でやっていることの最初のステップです。

Unverifiedリストに掲載された会社　Hengye Technology Co., Ltd.をオープンな情報で調べてみます。

まずはCopilot

BISのUVLで与えられる情報は会社名と住所です。
販売部門、グループ会社から与えられるのも同じようなものでしょうか。

会社名：Hengye Technology Co., Ltd.
住所：1602 Zhonghang Road,
Dingcheng International Building, Futian District, Shenzhen, Guangdong, China

Copilotに
「Hengye Technology Co., Ltd.はどんな会社？」
と聞いたところ、

Hengye Technology Co., Ltd.（深圳市恒业科技有限公司）は、中国の深圳市に拠点を置く企業です。主に以下の製品を製造しています12：車の充電器
壁の充電器
ワイヤレス充電器
USBケーブル
Bluetoothイヤフォン


この会社は、ISO 9001の認証を取得しており、製品の品質と信頼性に重点を置いています12。また、技術力が高く、製品の開発と改善において豊富な経験を持つ技術者が多数在籍しています1。

他に知りたいことがあれば教えてくださいね！

1: Shenzhen Hengye Technology Limited 2: Shenzhen Hengye Technology Co., Ltd. - Made-in-China.com

Copilotの回答

深圳市恒业科技有限公司
と紹介され、2つのHPが登場するのですが、確認したところ住所が一致しません。情報ソースを示してくれるところは便利で、正しいかどうかの検証ができます。
今回は残念ながらCopilotでは無理だったようです。

人手でやってみる

では、人間がやってみます。

現地語で、現地の検索エンジンで調べるのがいいですが、
漢字表記がわかりません。

もう一つの情報、BISから与えられた住所でGoogleで検索してみます。
住所をどこで切って検索するかも鍵です。
今回は最後の数字4桁を外して検索してみます。

Zhonghang Road,Dingcheng International Building, Futian District,Shenzhen, Guangdong, China

最後の4桁の数字が違いますが、次のいくつかの会社がヒットしました。

・AG Electronic Group Co., Ltd.
Address: 1013 Room, 10th Floor, Dingcheng International Building Zhonghang Road, Futian District, Shenzhen, Guangdong 518000 China

・广东奥特半导体有限公司
AOTE SEMICONDOUCTOR Co., Ltd
South China Office: No. 1005-1105, Dingcheng International Building, Zhonghang Road, Futian District, Shenzhen, Guangdong

・深圳市宏英微科技有限公司
Shenzhen Hongying Micro Technology Co., Ltd
深圳 地址： 广东省 深圳市福田区中航路鼎诚国际大厦1409
Shenzhen Address: 1409 Dingcheng International Building, Zhonghang Road, Futian District, Shenzhen, Guangdong

中国語と英語の両方を併記したHPがあり、
住所の中国語表記が判明しました。

中国表記：广东省 深圳市福田区中航路鼎诚国际大厦
英語表記：Dingcheng International Building, Zhonghang Road, Futian District, Shenzhen, Guangdong
最後の1602は、ビルの階数と部屋番号のようで16階の1602室のようです。

百度の地図で見るとここです。

中国語表記の住所「广东省 深圳市福田区中航路鼎诚国际大厦1602」で検索すると、
・深圳市睿金电子有限公司
・深圳市瑾瑞电子有限公司
・深圳市金睿电子有限公司
・深圳市嘉诚汇融投资有限公司
などが出てきます。

住所「广东省 深圳市福田区中航路鼎诚国际大厦1602」と会社名「Hengye Technology」で検索すると、

会社名：深圳市成轩恒业电子科技有限公司
会社名：Shenzhen Chengxuan Hengye Electronic Technology Co., Ltd
住所：深圳市福田区华强北街道华航社区中航路7号鼎诚国际大厦1010-1110

が出てきます。
百度で検索すると会社情報が見つかります。

今回の結論として、会社名と住所で会社を特定できる情報は得られませんでした。
会社名が正しいとして、Unverifiedリストに掲載されている会社は、これと思われるのですが…

・UVL
会社名：Hengye Technology Co., Ltd.
住所：1602 Zhonghang Road,
Dingcheng International Building, Futian District, Shenzhen, Guangdong, China

・候補
会社名：深圳市成轩恒业电子科技有限公司
会社名：Shenzhen Chengxuan Hengye Electronic Technology Co., Ltd
住所：深圳市福田区华强北街道华航社区中航路7号鼎诚国际大厦1010-1110

詳細調査してみる

会社名：深圳市成轩恒业电子科技有限公司
会社名：Shenzhen Chengxuan Hengye Electronic Technology Co., Ltd
住所：深圳市福田区华强北街道华航社区中航路7号鼎诚国际大厦1010-1110

この会社を調べてみます。
まずはCopilotに聞いてみました。

深圳市成轩恒业电子科技有限公司 (Shenzhen Chengxuan Hengye Electronic Technology Co., Ltd.) は、2015年4月15日に設立された小規模企業です。主に以下の事業を行っています¹²:

- 電子製品、デジタル製品、モバイル電源、機械製品、機電設備、金属製品の販売
- 自動化設備の研究開発および販売
- 電子製品の技術開発
- コンピュータ周辺機器の技術開発および販売
- 国内貿易および輸出入業務

会社は深圳市福田区華強北街道華航社区中航路7号鼎诚国際大厦1010-1110に位置しています¹²。法定代表者は彭媛さんで、現在12人の従業員がいます¹。

他に知りたいことがあれば教えてくださいね。

ソース: Copilot との会話、 2024/10/24
(1) 深圳市成轩恒业电子科技有限公司 - 爱企查. https://aiqicha.baidu.com/company_detail_31720422685620.
(2) 深圳市成轩恒业电子科技有限公司 - 启信宝. https://www.qixin.com/company/98b1ff91-7fc2-4b5f-b516-bf3a8f42100e.

Copilot

Copilotのリンク情報は両方とも日本からのアクセスはできません。
下記の画面です。

Copilotはここまで。

続いて人手で。
上の百度で検索した会社情報によると「有限責任公司」なので株式市場に上場していません。
上場していると株式市場（上海証券交易所、深圳証券交易所、香港交易所）で会社情報が得られます。

続いての手順、中国　国家市场监督管理总局の国家企业信用信息公示系统で登記情報を調べることができます。
深圳市成轩恒业电子科技有限公司　で検索してみると、下記がみつかりました。

さらに続けて、会社情報を掲載している「愛企査」で調べようとすると、下記の表示になります。
昨年あたりの中国の法令改正で、日本から会社情報がみれなくなりました。
中国にグループ会社、子会社があれば情報収取をお願いして、送ってもらうといいのですが、昨今の中国の法令によりグレーです。
このあたりは中国の法律に詳しい法律事務所、弁護士に相談してください。

続いて、中国　国家税务总局で納税信用ランクがAランク（優良）の会社が検索できるサイトがあります。
ここで、深圳市成轩恒业电子科技有限公司を検索してみると下記が表示され、優良納税者のようです。

あとは百度で、ほかに情報がないか、現地の会社名と英語名の両方で検索してみるといいでしょう。
中国の情報は少ないですが、念のためgoogleでも忘れず検索してみましょう。

ここまでの情報で会社の可否を判断します。
なにか怪しい情報があれば、中国に詳しい法律事務所や弁護士に相談するなどしましょう。
経済産業省に相談するという方法もあります。

最後に

中国企業の場合、日本からの調査はとにかく工夫が必要です。
今回紹介しているサイト、今後見られなくなる可能性もあり、ほかに有用なサイトがあるかもしれません。

Copilotの使用を禁止している会社があります。Copilotの使用は会社のIT・SE部門に確認してから使用してください。

中国の会社情報の情報収集に有用なサイトあれば教えてください。