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地方創生、鍵を握るのは「別班」!?

ドラマのVIVANT、そこで出てきた「別班」部隊、話題になりましたよね。

別班とは、陸上自衛隊(古くは帝国陸軍ですね)が秘密裏に組織する秘密諜報部隊のこと。ずば抜けて優秀な能力を持つメンバーで構成され、自衛隊には属さず、国際的な企業に所属しながら、世界中で諜報活動を行い、日本を守る行動をしています。

当然、本当に別班が存在するかは明らかではありません。巷では本当に存在するであろうとは言われ、国会でも議論されたことがありますが、ドラマで描かれたような姿なのかは「誰も知らない」というのが現実でしょう。

ドラマVIVANTでは、この別班の存在によって日本はテロなどの国際的な脅威から守られているという設定でした。自衛隊の別班が本当に存在するかは別として、組織のしがらみから切り離された別働部隊が本質的な成果を上げうると言うのはこれは組織論的にも十分納得のいくものです。

世の中で物事が進む時には「別班的なもの」が存在しているのも事実。例えば、大企業には本社から切り離されて都心のWeWorkで働いている新規事業部隊が居たりしますよね。本社の煩雑なプロセスから解放されることにより世の中の変化へのスピードがずば抜けて速くなるなどの利点があります。

それ以外にも、秘密裏のプロジェクトを進める時などには特命部隊が組織されることがあります。この特命部隊は本体とは切り離されて動くことで本体とは正反対の動きをしたり、本体とは違ったり機動的な動きが出来るようになるのですよね。社内では誰も触れられない役員の不正を暴くのも特命係長でしたねw。

そして、ここで言いたいのは地方創生にこそ「別班が必要」ということ。

最近は、安芸高田氏の石丸市長と議会の確執が話題になったりします。市長は市政の執行にあたり、議会の支援を受けないと物事が進まないのですが、この議会を説得することがとても難しい

YouTubeなどを見ると、石丸市長は正面からこの議会に勝負を挑んでいるように見えます。しかし、これが正しい手法なのかというと疑問が残ります。YouTubeを見る限りは、市長と議員の論理構成のレベルにはマリアナ海溝くらいの断絶があり、全く話が通じていません。

元マイクロソフト社長の成毛さんが、ご自身のFaceBookでこのような発言をしていました。石丸市長と議会の確執を見ていると、これはもはや単なる一地方の議会の問題ではなく、日本社会に存在する大きな分断の縮図であるとも言えるでしょう。

ここ何十年も地方に行くたびに、頭のいい人はあまりいないなあと思うのですよ。それが地方再生の最大の問題なのかと。でもそれって日本最大のタブー。言っちゃいけないんだよね。地方の経済界も警察もクズだということを。ようするにみんな知っているけど語っ...

Posted by 成毛 眞 on Wednesday, September 27, 2023

そして、問題はここからです。つまり、これだけの基本的な論理レベルの分断があった時に、お互いが議論することによって何かが解決するのだろうかという事なのです。恐らく解決しません。どこまで行っても議論が絡み合うことはないため、議論をすることすら無駄なのでしょう。

この論理の分断は、国際間ではもっと顕著です。例えばキリスト教とイスラム教、ロシアとNATO各国の思想、これはどんなに説得しようとしても全く違うところに論理構成のレベルがあるので全く議論が噛み合いません。これを力づくで押さえつけようとすると、テロや紛争という形で噴出するのです。

安芸高田市のケースがどうなっていくのかわかりませんが、最終的に力で押さえつけようとすれば、それはテロという形で噴出するかもしれない。どちら側がこぶしを振り上げようとも反対側から見たらテロ。安芸高田市は結局のところ血を見る事になるかもしれないのです。

おっと、ここで思い出しましたね、テロ対策と言えば別班。テロを未然に防ぐのが別班でしたね。やっと繋がりましたぁ。

地方の創生なくしてわが国の再興はありえません。しかし、そこに横たわるのはこの100年にわたる思想や論理構成レベルの分断です。都会と田舎、中央と地方、全く違う論理構成で動いているのです。その分断はキリスト教とイスラム教よりも深いのかもしれない。

成毛さん的に、知性と合理性が中心となる都会の論理レベルを基準に考えれば、地方はレベルが低いという事になります。これは間違いないです。逆に、人情と感情が中心となる地方の論理レベルを基準に考えれば、都会的なやり方が地方で通じるか!という話になるのですね。

ちょっと何言ってるか分かんないですよね。そう、分かんないんです。それが論理の分断。

これはわが国が戦前から進めてきた中央一極集中の流れの中で起きた分断であり、ここにきてその分断はさらに深まっていることが言えます。いくら危機感をあおったところで、その議論は広がっていく一方なのです。

そこで登場するのは別班なんです。VIVANTが話題になる前から、石川県加賀市には別班と言っても良い組織があるのをご存知でしょうか。それがデジタルカレッジKAGAです。このデジタルカレッジKAGAに言及されている記事があるので紹介します。

デジタルカレッジKAGAは、加賀市との間に依存関係がないため非常に機敏な行動ができるという大きな利点を備えています。市外資本を元にした法人のため、市と対等な立場で事業を進めることができ、また、市側としても、デジタルカレッジKAGAが民間企業ならではの迅速な行動力をもって行う事業の中から成果や価値を検証し、有効な施策を取り入れて展開できるのです。

マイナビニュースの記事より

加賀市は、消滅可能性都市としてその将来における存続が危ぶまれている自治体です。ですが、市長の強い先導力によって国家戦略特区(準スーパーシティ)としての指定を獲得。世の中に先駆けて様々な施策を打っていることで有名です。

その中には、事前に調整が必要なものや予算の獲得において、議会の根回しが必要なものも多々あるでしょう。そこで別班が暗躍するのです。誰よりも先に部外者が先にやってしまう。部外者であるデジタルカレッジKAGAは市に先んじてアクションを取ります。まさに乃木憂助。

例えば、2022年には市上空をパラモーターで飛び回って空飛ぶクルマの航路検証などをやっていました。これ、市が議会説得して~、予算取って~、公募かけて~、ってやってたら永遠にできなかったもの。外から持ってきた資本と技術でサクッと実証してしまったのがデジタルカレッジKAGAです。まさに別班。

別班は市の予算をアテにしてません。だからこそ機動的に動きます。でも市の事を想う、その想いはVIVANTで描かれていた「憂国の思想」に似通ったものかもしれませんね。そして、このような別班の動きこそが地方創生の鍵になるのではないでしょうか。

石丸市長、安芸高田市にも別班の存在が必要ですよ!!

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