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パプアニューギニアへの出張

 南太平洋11か国のうち、一番の大国であるパプアニューギニア(PNG)に単独館での出展でなく、南太平洋共同館への参加を説得すべく、パプアニューギニアに飛んだ。既に外務省ルートから同国政府の単独館出展の強い要望は聞いていた。

 首都ポートモレスビーに到着し、すぐに万博出展の担当省庁の経済産業省に向かった。面談は次官クラスが対応してくれた。私は下記の論理で共同館への出展をお願いした。

1)単独出展には非常にお金がかかる。単独パビリオンの場合、建設費がかかる。共同館の場合は、各国が共同で費用を負担するので、出展に係る費用は安く済む。また安く済んだ分で、イベント等の開催を会場内で行ったら、貴国のアピールにもなる。

2)日本での万博開催となると会場は物凄い混雑が予想される。一日に行けるパビリオンはせいぜい5-6館ぐらい。PNGがその一つに入る(選ばれる)事ができるか疑問。南太平洋共同館ならPNG単独館より確実に入館者は増える。

3)共同館参加予定国11か国はキリバス、バヌアツ、パラオ、トンガ、マーシャル諸島等小さい島国が多い。その中でPNGが圧倒的に大きく、そういった意味で共同館に参加して、さらに同館のリーダーシップを取ってほしい。

 以上のような話をした。PNGとて国家予算が潤沢にある訳ではなく、万博出展参加にかけられる予算は限られているし、2)も3)も彼らにとって納得のいくものだった。最終的にはPNG政府として単独館の出展はあきらめ、南太平洋共同館への共同出展する方針を伝えてきた。

 協会職員としての初めての出張で、無事ミッションを果たしたので、自信をもって駐PNG日本国大使に上記の件を報告した。しかし大使のご機嫌はあまり良くなかった。大使の知らぬところで外務省職員でもない人間がPNG政府と交渉してさっさと決めてしまった事に対する不満であった。私は商社マンなので海外出張して交渉する以上、結果を出さずに帰る訳にはいかないと考えているが、やはりビジネス以外の外交ではやはり「ホウレンソウ」をしながら慎重に進めていくスタイルが要求される感じだった。でも大使にも2タイプあって、万博云々の事など大使がいちいち構うような外交問題ではないので、協会職員が現地政府に乗り込んでいって、さっさと決めてもらうのは有難いと思う大使もおられた。後にトルコといろいろ問題が生じた際、アンカラに私が乗り込んでいった時には、大いに歓迎して頂いたし、帰る時はねぎらいの夕食会にも招待頂いた。

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PNGの万博担当者との会談

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ポートモレスビーの海上住宅

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お話を板に彫ったストーリーボード。それぞれの家に家宝として飾ってある。

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木登りカンガルー。カンガルーです!

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このインゲンみたいなのがバニラです。

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