見出し画像

【内的キャリアのてがかり】小さいころに憧れた、あるいはなりたかった仕事は何?それは何故?

改めて思い起こしてみると、どうなんでしょう?
他の作文でも記していますが、仕事や職業そのものがどうかということではなく、「なぜそのように考えたのか」ということを考えてみるということに留意してみてください
「小さな頃になりたかったのは…お医者さんかなぁ。ま、今さら無理だけどね」
というのではなく
なぜ、お医者さんになろうとその当時に思ったのかというところに目を向けてみるということです
「熱があって苦しかったときに、助けてくれた」とか
「ドラマとかコミックで見て、なんかかっこよかった」とか
中には
「親がそんな感じのことを言っていたから」とかというのもあるかもしれません
「儲かるらしい」というのもあるかもしれませんね


ここで「小さな頃にはそういうことを考えていたのですね。そういう憧れや動機といったものも、仕事を考える時の参考になりますよ。いまはどうですか? いまもそんなところがあるんじゃないですか?」といって終えてみるのもよいのですが、もう一段深掘りしてみるのもよいかもしれません


「熱があって苦しかったときに、助けてくれた」
それって、その行為そのもの(診察と投薬など)を指していますか?
「辛そうだね。よく頑張ったね。もう大丈夫だよ、お薬だすからね…」といった優しい、あるいは頼りになる声かけを指していますか?
あるいは?


「ドラマとかコミックで見て、なんかかっこよかったから」
それって、主人公の考え方や生き様を指していますか? もしそうだったら、なかでも象徴的なシーンや台詞はどんなものですか?(正確に再現されていなくてもよいですよ)
あるいは何らかの問題を解決していくその切れ味の良さだとか、所属する病院だとか学会といった組織、あるいはさらに広く社会といったものを変えていく活動を指していますか? つまり主人公の個人的な信念といったものではなく、働きかけの方に注目していましたか?


「親かそんな感じのことを言っていたから
そんな感じの中身は何だったんでしょうね
代々わが家は…ということでしょうか?
医者になれば食いっぱぐれはなさそうだということでしょうか?
そうした人のためになるような生業がよいぞ、ということでしょうか?
そしてそうした中身にご自身は賛同したのでしょうか、あるいは反発していたのでしょうか? そしてそれはなぜ賛同、あるいは反発したのでしょうか?


といったようにもろもろ考えてみると、なりたかった仕事や職業そのものに関わる意味や意義が浮かんでくるのではないでしょうか?
そしてそうした意味や意義を満たそう、実感しようとするなら、小さな頃になりたかった職業や仕事のほかにも該当するものが出てきはしないでしょうか?
内的キャリアについての理解を深め、外的キャリア選択につなげるというのはこういうことであろうかと思います


ところで、小さな頃は、小さな頃なりの世界、社会にすんでいました
その中で思ったり考えたりしたことですからどうしても制約があります
身近にそうした仕事の人が居るとか、関心のある人がいるとかでなければ、小学生低学年にして「ぼくはデイトレーダーになろうと思うんだよね」ということはあまりないんではないかと
逆に言えば、「思いつける環境に居た」からそのことを考えたーーともいうことができます
育った環境が職業選択にも影響するとも言えるわけですね(このことは学歴に対する関心も同様なわけで、「実力も運のうち 能力主義は正義か?」(マイケル・サンデル、早川書房)にも通じるところはあろうかと思いますが、それはまた別の機会に)
こうしたこともあって、なりたかった職業や仕事そのものに目を向けるのではなく、「なぜそのように考えたか」ということ、そう考える至ったいきさつを追ってみることをお勧めしております

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?