謎の天体CrA-9B/b その正体は?

若い恒星の周りに奇妙な天体が見つかったことが報告されている。

問題の天体はCrA-9と呼ばれる天体の周りに見つかった。CrA-9は太陽の約0.45倍の質量を持つ恒星で、生まれてから100~200万年しか経っていない。

発見された天体「CrA-9B/b」は、CrA-9から109天文単位(1天文単位=地球と太陽の距離)離れた所に見えている。CrA-9B/bのスペクトル(光を波長ごとに分解したもの)は3000ケルビン(約2700℃)の天体によく似ている。このれは若い恒星の温度としては十分あり得るものだ。しかしCrA-9B/bは若い恒星としては異常に光度が小さく、単純に光度から推定するとそのサイズは木星の0.7倍にしかならない。

この状況を説明するために著者らは2つの仮説を提唱している。一つは、CrA-9B/bの正体は塵の円盤に囲まれた恒星で、円盤によって部分的に覆い隠されているため暗く見えるという考えだ。もう一つはCrA-9B/bは形成途中にある巨大ガス惑星で、周囲から降り積もる物質によって惑星表面の一部が加熱されて光っているという考えだ。どちらが正しいか確かめるにはさらなる観測が必要とされている。

なおCrA-9B/bの正体が恒星だった場合、天体の命名慣習に従ってその名前はCrA-9Bとなり、惑星だった場合はCrA-9bになる。

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