HD 5278の2つの惑星

arXivにHD 5278の惑星系の発見についての研究が掲載されている(https://arxiv.org/abs/2101.12300)。HD 5278は、NASAの太陽系外惑星観測衛星「TESS」の観測を通じてTOI-130.01と名付けられた惑星候補が見つかっていた。今回の研究では、チリ・パラナル天文台のVLT望遠鏡に設置された最新の分光観測装置「ESPRESSO」を用いてTOI-130.01が実際に惑星であることが確かめられた。

新たに確認された惑星は「HD 5278 b」や「TOI-130b」と呼ばれている。公転周期は17.4日、サイズ(半径)は地球の2.5倍、質量は地球の約8倍で、平均密度が地球の約半分と小さいため、岩石惑星ではなく、氷や水素・ヘリウムなどの低密度の物質を多く含むと考えられている。

さらに、研究の過程で、HD 5278 b の外側の軌道に、TESSの観測では捉えられていなかった別の惑星 HD 5278 c が存在することが明らかになった。この惑星は公転周期が40.9日で、質量は地球の約18倍以上とされている。サイズや密度は分かっていない。

惑星系の主星HD 5278は太陽の1.13倍の質量と1.19倍の半径を持つ恒星で、有効温度は6200ケルビン(約5900℃)と太陽より400℃ほど温度が高い。この恒星は8等星で、肉眼で観測できるほどの明るさではないが、系外惑星が知られている恒星の中では比較的明るいため今後の研究にも期待できるとされている。

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