TOI-451b, c, d 若い太陽型星の3つの惑星

NASAの系外惑星観測衛星「TESS」と地上の望遠鏡を用いた観測で、誕生から1億5000万年しか経っていない若い恒星の周りに3つの惑星が見つかったとする研究がarXivに掲載されている。

惑星 TOI-451 b, TOI-451 c, TOI-451 d は、それぞれ公転周期が1.86, 9.19, 16.4日で、サイズは地球の1.9, 3.1, 4.1倍ある。質量や密度は分かっていない。この惑星系では、理論的な予想より強い赤外線が観測される「赤外超過」が見つかっており、惑星の形成に関連した塵が豊富に存在していると考えられている。

主星のTOI-451は質量が太陽の0.95倍・半径0.88倍・有効温度5556ケルビン(5283℃)の恒星で、年齢が若いことを除くと太陽と似ている。この主星から遠く離れたところには伴星のTOI-451 Bが見つかっている。TOI-451 Bは赤色矮星(低温の小さい恒星)同士の連星となっている可能性が高く、TOI-451系全体としては3連星系と考えられている。

TOI-451系は「うお座-エリダヌス座ストリーム」と呼ばれる若い恒星ストリームに属し、生まれてから約1億5000万年しか経っていない(※比較として太陽の年齢は46億年)。恒星ストリームとは細長く変形してばらばらになりつつある星団のことだ。うお座-エリダヌス座ストリームは1億5000万前には散開星団だったと考えられている。現在は地球から見た夜空に120度にわたって延びる集団となっているが、構成する天体が暗くまばらなので視覚的には星団として認識することはできない。

この研究はTESSの観測データを用いて若い惑星系を調べることを目的とする研究プログラム「THYME」(TESS Hunt for Young and Maturing Exoplanets)の一環として行われている。同プログラムは類似した若い惑星系である HD 110082 の発見を伝える別の研究も同時に公開している

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