消えゆくバルビツレート:ALS嘱託事件
この国の司法にはもはや一片も期待していないが、
今回の判決を見るに日本での安楽死法制化は予想よりずっと遅れそうだ。
肉体的な難病や身体障害に限っての限定的な自死幇助でさえ、
成立までに30年はかかるだろう。
なぜ此度の判決がかように重いのか、思い当たる節はいくつかある。
一つは、利権団体や政府の意向として、
精神障害者は飼い殺しにしておきたいということ。
時の権力者のモットーは常に「生かさず殺さず」だが、
今回の事件はまさにその聖域にメスを入れるものだった。
それも医療者