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【旧約聖書:6】流浪するアブラハム②

 ロトと別れたアブラムに、神はこう言った。
 「お前に、見渡すかぎりのこの地をすべて与えよう。
 そして、この地にたくさんの民を増やしなさい。」

 そのころ、ロトが住むソドムの町では戦い、略奪が起こり、
 ロトはその財産を奪われた。
 しかし、それを知ったアブラムはそれを奪い返して、
 神から大いに称えられて、こう言い渡された。
 「お前は、このことをよく知るべきである…
  お前の子孫は、これから400年の間、この地ではないところで、
  奴隷となり苦しめられることになる。
  しかし、わたしはそれらの者を裁いてみせよう。
  いずれ、お前の子孫はこの地へ戻ってくるであろう…」

 さて、アブラムの妻サライには子供がいなかったが、
 彼女には女奴隷のハガルがいた。
 そこで、サライはアブラムにハガルと子を為すよう勧めた。
 そして、ハガルはアブラムの子を身籠ると、サライを軽視するようになり、そのことでサライはハガルに辛く当たるようになった。
 ハガルはその苦しみから逃れるべく、その地を去った。
 しかし、そこで神の使いがハガルにこう言った。
 「元の地へ戻り、その子を”イシュマエル”と名付けなさい。
  そうして、お前の子孫はもっと増えることになる。」

 アブラムが、99歳になったころ、
 神は現れてこう言った。
「わたしは全能の神である。
 お前は私の前において、完全な存在であれ。
 ここにおいて、わたしとお前との間に契約を結ぼう、
 お前の子孫を大いに増やすことを誓おう。
 お前は、この国の民の父となる。
 もはや、アブラムという名ではなく、アブラハムとしよう。
 お前の子孫は、ますます増え、王となる者が出てこよう。
 お前とその子孫に、永遠にこの地カナンを与え、
 わたしはお前たちの神となろう。」
 そして、アブラハムの妻サライをサラという呼び名にするとした。
 

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