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AIでよみがえる美空ひばりさん。


世界初の試み、没後30年の国民的歌手、美空ひばりさんを令和の現代によみがえらせる復活プロジェクト。

9月に放送された企画番組に未公開映像を加えたスペシャル版が今夜放送されました。

5分で分かる番組内容はこちら↓

果たしてAIは人間の心を揺さぶることができたのか?

去年12月に始まったこのプロジェクトには、代表曲とも言える最後のシングル『川の流れのように』を作詞した秋元康さんが参加。

他にも衣装には、ひばりさんのステージ衣装も手がけてきた森英恵さん、曲の振り付けには全身にモーションキャプチャーを取り付けた天童よしみさんと超豪華な面々。新曲は200曲以上の楽曲から秋元さんが選びました。

動画を見るとAIに歌わせるのは簡単なことのように見えますが、実際はそうではありません。

ひばりさんの持つ4オクターブの音域を全て再現させるには5000を超える音が必要ですが、それだけでは歌にならないそうです。

というのも、それぞれの音にはビブラートや裏声など様々な表現方法が組み合わさり、歌声として再現するには膨大な音が必要になるのです。

これを人間が手作業でする事は不可能に近いため、番組ではレコード会社が特別に提供した過去の楽曲のボーカルのみの音源をAIにディープラーニングさせました。

AIはひばりさんの声を1秒当たり100に分割し、音符と歌詞を基にひばりさんがどう声に出したか、楽譜と歌声を照らし合わせながら解析します。

そして、人間には見つけられない楽譜と声の相関関係を探し出し、歌い方を学びました。

半年後、AIに新曲を歌わせてみると、意外な結果が出ます。

まず後援会の人達は、力強さが感じられない、薄い、深みが無いと酷評。

次に秋元さんに聞かせると、楽譜通りに歌っているので正確ではあるが、人間臭さや雑味などの温かみが感じられないと、みんなが揃ってひばりさんらしくないと言うのです。

さらに研究をすすめると、ひばりさんの歌う声には、モンゴルの伝統的歌唱法であるホーミーと同じ歌い方がある事に気づきます。

これにより奥行きが表現され、加えて音程やタイミングのずれが楽譜通りでは生まれない味を出します。

新曲には語りの部分があるのですが、過去1500曲の歌の中で語りがあるのは『悲しい酒』一曲のみ。そこで息子さんに読み聞かせていた童話のテープをAIに学習させ、開発から1年後、新曲を歌わせる事に成功しました。

番組では、AIが死者をよみがえらせる事に賛否両論が起きていると問題提起がなされます。

死者をよみがえらせるのは冒涜ではないか?

影響力を持ったフェイク映像は社会に混乱を招くのではないか?

一昔前、柴咲コウさんが歌手としてブレイクした『月のしずく』で話題にもなった

でも、同じような議論が作中で描かれていました。

稀代の歌手である美空ひばりさんが現代によみがえれば、その影響力はかなりのものでしょう。AI美空ひばりは今年紅白に出場します。もう二度と新曲を聞く事はできないという思いがあるからこそ、この企画は成功するでしょう。

しかし、これが二曲目、三曲目となれば、どうなるかは分かりません。アンタッチャブルが10年ぶりに復活し、漫才をした事が話題になりましたが、ビートたけしさんは、世間が落ち着いてからが勝負だなとコメントしていました。

初音ミクのボーカロイドのように、AIが亡くなった歌手の声帯で歌うようになる時代が始まろうとしています。

夏目漱石や芥川龍之介が文章を書いたら、という妄想も実現する日は近いのかもしれません。

しかし、それを受けとめるのは人間です。あんな声で表現するんだ、こんな素敵な文章が書けるなんて、という感動は同じ人間だからこそ生まれると僕は思います。

まぁ、これくらいの文章だったらAIが書いた方がもっと読まれるかもしれませんけどね(笑)

樹木希林さんや八千草薫さんが復活するにはまだ早いし、過去の名作を見る方がきっと泣けるでしょう。

番組の最後で秋元康さんは、人間の思いをサポートするのが科学だと結びました。

もしもAIをサポートする人間の時代が来たら、このブログにも希少価値が生まれる事でしょう。スキを押すのはAIかもしれませんが。


紅白の情報はこちら↓

新曲『あれから』はこちらから↓感動するかどうかはあなたの目で確かめて下さい。

https://www.youtube.com/watch?v=nOLuI7nPQWU&list=RDnOLuI7nPQWU&start_radio=1

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