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一生かけても探索できない惑星旅行へ出かけてみませんか?

今、僕の手の平には無限の宇宙が広がっている。

ノーマンズ・スカイというゲームだ。

自動生成された誰もいない惑星を一人ぼっちでただただ散策する。

発売されたのは2016年。PS4で発売日に購入した僕は期待に胸を膨らませていた。

1800京というよく分からない膨大な星の数々。その一つ一つに降り立ち、未知の生物や植物を発見し、マイクラのような生活ができる。

圧倒的なスケールじゃないか!

もう他のゲームなんていらないのじゃないか?

究極のデジタルデトックスソフト。

そんなゲームが本当に存在するのか。半信半疑のままプレイしていくうちに、簡素な地形、自動生成ゆえの変な組み合わせで生まれた奇形の動物、とぼしいミッションに、やっぱりなという失望まじりな気持ちから放置していた。

あれから6年。度重なる無料のアップデートにより、ユーザーが初めに抱いた妄想は理想の形へと近づき、そしてついに手の平の小さな画面の向こうに無限の宇宙が広がっている。

ところで、僕はスノーランナー というゲームが好きで、たまに実況している。

一言で説明するなら、まるでお盆の上に卵をのせながら歩くような緊張感に苛まれながら黙々と資材を運搬するゲームだ。

運搬する「だけ」のゲームだ。

何が面白いのかはさっぱり分からないけれど、なぜかただひたすら地味な作業に埋没する。オーディオブックをラジオのようにかけながら、時に荷台をひっくり返し、やり場のない怒りと自責の念にかられつつも無人の荒野を駆け巡る。

一方のノーマンズ・スカイもトラックにこそ乗らないものの、異様な色彩の星を自分の足で探索する。

そこにあるのは孤独な世界。しかし、決して虚無ではない。プレイヤーは、たくさんの余白に自分の想像力をかきたて、あてどもない放浪者となる。

ふと空を見上げると、誰かの宇宙船がエンジンの軌跡を残しながらどこかの星へと飛び立つ。

たまに出会う異星人とのコミュニケーションは、知識の石から得た言語の断片で少しずつ会話の形を成していく。

孤独は他人を意識して初めて感じる人間の感情だ。

自分が発見した惑星には名前をつけることができる。いつかどこかで誰かが自分と同じ大地を踏むしめるかもしれないという妄想が新たな冒険心を生む。

Switch版は4K60フレームではないのでPS5やPC版に比べれば画質や操作感が劣るのはお約束。しかし、ながらプレイで気ままに探索するこのゲームにおいて、ケータイモードとの相性はすこぶるいい。

ソファに寝転がりながらのんびり星を探検し、時には大画面のテレビモードで遊びながら広大な銀河系に思いを馳せ、矮小化された自分を鑑みる。

人の人生とはなんとちっぽけなものか。

道の道とすべきは、常の道にあらず。名の名とすべきは、常の名にあらず。

『老子』

老子の一節である(急にどうした?)

天地が創生された時にはあらゆるものに名前はなかった。

同じく道も人が示したものであり、常の道も本当の名も始めからあるものではない。

名前はプレイヤーの数だけある。

それがノーマンズ・スカイというゲームだ。

興味がわいた方は、拙い実況を参照頂ければと思う。

いざ、無限の彼方へ!!


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