capita numerata
ひとをかぞえた頭数で
草はむうま、うしたちを数えたように
旅暮らしやめ、つどい居をさだめて
地に根づいたとき
はたらきとみのりのかさをかぞえて
ひとをかぞえた頭数で
つむじ風、いく日も続く大雨
溢れ出てひかない大水
備えてあった前のみのりを数えて
ひとをかぞえた頭数で
日が昇り日が沈み
月が欠け月が満ち
月日をかぞえて
ひとをかぞえた頭数で
かぞえてもかぞえても
つどいくらすままには
はらくちきこと絶えなば
日々の糧を外に求めて
ひとをかぞえた頭数で
つどい暮らすひとの群れあると聞けば
ひとをかぞえた頭数で
ついに力で群れを守るとなれば
ひとをかぞえた頭数で
頭数としてかぞえられて
ひとは名前を奪われ
生きてきた証も奪われ
ものの数になった
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