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世界一かわいい私のこども

私のこどもはかわいい。誰が何と言おうと世界一だ。
 起きている時に虚空も見つめながら「ああ、ああ」という声も、抱っこを求めて泣く声も、せいいっぱい腕を伸ばしながら、笑いかける姿もすべてかわいい。ちょっと都合が悪い時に泣かれてしまうと、焦ったり、もうちょっとだけ何とかならないものかと思ったりするけれど、手を止めて抱っこしてすぐに泣き止むとどうしようもない愛おしさがあふれてくるのだ。
 何をしたって泣き止まない時もある。けれど、生きて頑張って何かを伝えようとしている、むずがゆさを泣くことでしか表現できない幼さなのだと思えば、少しため息をつくくらいで受け入れてしまうのだ。ぷくぷくと膨らんでいくかおや手足を見るたびに懸命に成長しているのだとほほが緩んでしまう。
 正直、子育てを100%できるのかと不安だった。姉のこどもを少しあやすのにも疲れを覚えたし、おむつ替えだってそれなりにしんどいなと感じていた。今もおむつ替えが楽しいわけではない。けれど、おむつを替える必要があることが、こどもが健康に育っているという証拠であることを認識してからは、おむつ替えにつらさとは違う価値が生まれてくる。むしろ、うんちが出ているということに喜びすら感じるようになった。感情の変化というよりも、親としての安堵が追加されたという状態だろうか。
 ベビーベッドに取り付けたメリーを見て、こどもが喜んでいる。はうはうと声を上げ、らんらんとした目で楽しそうにしている。少し前は、メリーをつけていてもそちらを見ることはなかった。けれど、今はしっかりとメリーを認識して楽しんでいる。成長したのだな、とうれしくなる。お乳以外の時間は寝ていて、家事はしやすいけれどもこどもの反応は薄い新生児期から、お昼に起きて行動は制限されるけれどもこどもの反応を感じることができる乳児期への移行。大変さとうれしさは同時に増えていき、最後はさみしさだけが残るのかもしれない。
 こどもと一緒にいられる時間は思ったよりも少ない。こども次第で自分が思ったよりもよっぽど早く飛び立っていってしまうかもしれない。だから、私の腕の中で安心して寝ているうちは、できる限り安心させてやりたい。
 世界一かわいい私のこども。元気に育って、笑って日々を過ごせるように、できる限りのことをしてあげたいなと、心から思う。

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