見出し画像

休みの日の夕方の散歩

 休みの日は配偶者と散歩をする。コースは特に決めてもいなく、特に目的もなく歩く。近所の街を歩くことがほとんどであるが、これがとても楽しいのである。

 まず、散歩中はスマホを見ることがほとんどない。ただ隣で歩いて会話をするだけだ。住宅街を歩けばこんな家がいいねーと話したり、拘った外観のお店を見つけては今度行こうと話したり、気になった施設がどんなものかを一緒に考えたりする。ふとした瞬間によく聞く会社の社屋があることにともに驚いたりするのも楽しいものである。

 しかし、気をつけなければいけないのはいつもより遠出をしてしまった時である。あてもなく、ふらふらと歩くので気がついたら家からとんでもなく離れていることもある。1時間程度の散歩の予定が2時間かかってしまったなんてこともたまにある。あーあ、などと言いながら帰る道を探すけれど、また道中話しながら歩くので特に時間がかかるという意識もない。そもそも、散歩の時間が思った以上にかかっていたということはよくあることなのだ。だってノープランだから。目的もなく、ただ2人で話しながら歩くことが目的なのだから、時間が超過してしまうのは仕方ないのだ。多分。

 しかし、こんな散歩も何度も行なっていると近所の大体の場所を把握してしまう。正直、ほぼ散歩をしなかった地元の周辺よりよっぽど今住んでいる土地の方が詳しいくらいだ。田舎の人間はほぼ歩かない。かろうじて犬の散歩で歩くくらいだ。歩く距離は長さは田舎で生活していた時の何倍にも増えた。車を持っていないということも大いに関係するとは思うが。散歩がこんなに楽しいものだとはあまり思っていなかった。

 けれども考えてみれば、田舎の道を配偶者と一緒に歩いた時はやっぱり楽しかったと思った気もしている。なんだかんだ、隣にいる人が大好きで話の合う人なら、場所は関係ないのかもしれない。道中の気づきにお互い笑いつつ考えつつ歩く、きっとこれが楽しいから毎日歩いていけるんだと思う。こんな楽しい散歩をおじいさんとおばあさんになっても続けられるようにお互いを大切にしながら生きていきたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?