民間マンションを津波一時避難施設として利用可能か?

この記事は数年前に考えていたことです。今では情報も古くなっているかもしれません。

津波は突然やってくる.地震の後,慌てて重い防災グッズを持って安全に遠い避難施設に到達することは可能でしょうか?しかし,地域の全員が一斉に広域避難場所に向かえば渋滞し,人的被害が大きくなる可能性もあります.

このようなとき,イベント発生時に一時的に避難する施設を津波一時避難施設などと呼ぶそうです.私がよく訪れる神奈川県の逗子海岸には、逗子開成学園があります。同学校は,神奈川県逗子市と協力して一時避難施設して指定されています.周囲には看板が設置されており,目の前の逗子海岸を訪れた方は見たことがあるかもしれません.

写真の近くには↓下↓の2つのルート案内図があります.皆さん,緊急時にどちらに行きますか?多くの人が目の前にある津波避難ビルの逗子開成学園に行きたくなるでしょう.

しかし,これにも課題があります.それは,何人を収容可能か分からないことです.平日は,学生と職員で1000人以上いる上に,周囲には住宅街が広がっており地域住民も避難するでしょう.その中で,観光客を何人収容可能なのでしょうか?一方,夏休みなどは部活動に参加する程度の人数しかおらず,比較的受け入れることができるかもしれません.しかし,海岸に大勢訪れる観光客全員を受け入れることは不可能です.

逗子地区の津波ハザードマップを見ても明らかなように,津波一時避難施設は,海岸近くには逗子開成学園しかありません(特に,大勢の海水浴客が集まる海岸西側(図の左側)).

また,津波は何度も襲来する可能性があり,避難施設で夜通しするかもしれません.どの程度の物資があるのか示していただきたい(少なくともハザードマップには記載されていません).

前置きが長くなってしまいました.

民間のマンションを一時避難施設として利用できないでしょうか?

例えば,周辺のマンションを一時避難施設として利用できるならば,避難者の収容人数を増やせるでしょう.当然,住民の許可が必要であり,避難者が各階の廊下には立ち入れないようにもすべきです(住民が避難者を助けることを妨げてはいけないが,被災時に安全な場所にいる住民のプライバシーも守られるべきです).また,屋上に防災備蓄庫を設置して,住民全員に対して数日分の食料等を優先的に渡すなどのオプションも用意するべきでしょう.

観光地である自治体には住民だけではなく観光客の防災環境も整えていただきたいです.

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