ひごろも荘のこもごも・振り返り③

人魚の女の子、幡ヶ谷美潮は静かに暮らしたい。夢を叶えるために故郷を離れ、慣れない二本の脚で毎日を歩んでいるのだから音楽に集中させてほしいのに、変な事件が次から次へ起こるし、住人はトラブル続きだし、まったくまったくもう！
そんな不機嫌人魚の美潮ちゃんに降りかかる災難をメインに取り扱ったのが今回のシナリオでした。

◆ひごろも荘のこもごも第3話「君の声」◆

◆本編◆http://evo.soragoto.net/kiminokoe.html
◆雑談◆ http://evo.soragoto.net/kiminokoetalk.html
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◆セッション前のこと◆

人魚が主役ならこのネタをやりたかった！ という導入は決まっていたので、まず美潮ちゃんのプレイヤーさんに導入についての許可をもらいました。ロールプレイにとても制限がかかるところをご快諾いただけたので助かったぜ。

次にじゃあどうしてそうなったのか？ を逆算、重たい内容が続くのも（この次のシナリオが重くなるのは決まっているので）しんどいという判断から、シェアハウスの住人や関係者から大事なものがなくなる、小さな困りごとから始まる内容になりました。美潮ちゃんは当事者として、男性陣はそれぞれNPCから頼まれて失せ物探しを始める、という大筋が決まり、そこから敵対NPCを決めたり、二段構えクライマックスをやりたいな、という欲望を叶える構図にしました。

2話目やりながらこの話のシナリオ作っていて、2話での美潮ちゃんエンディングで3話への導入を行ったり、敵対NPCの名前や所属する小組織の名前は3話めやってる期間に海産物……海産物……などと唸りながら生み出したものです。敵対NPCは、美潮ちゃんと対になる感じと、サメ映画ですぐ死ぬ若者を参考にしました。

◆セッション中のこと◆

蓋をあけたら大事なものを盗まれた美潮ちゃんが伸びやかに大活躍するセッションになりました。いつもツンツンした彼女の素直になれない可愛らしさ、いつも通りなツッコミ役としての立ち回りの裏で、他のPCには見えないように滲ませる悲しみや悔しさを見せてくれたのはGMとても嬉しかったです。

美潮ちゃんと時を同じくして語彙力が低下した作家の店子に頼まれて、失われた語彙を求めるという厄介な依頼を受けたのが銀次くん。「やばい人⇔ヤンチャでかっこいいとこのある人」の振り幅が相変わらず絶妙。今回もクライマックス前に探偵役として真犯人達と対決したのですが、そこでのハッタリと《アレナ展開》の使い方がかっこいいんだ。ぜひご自身で確かめて欲しい！

そんな銀二くんはじめ、暴走する若者を諌めるお姿が良く似合うのが、肉体年齢最年少の丈二さん。保護者的な立場として文字通り体も張るし、ときに呆れ、時に助言をし。そうして若者たちを導くことそのものが、実は丈二さんにとってとても意味のあることだった、という答えに辿り着くエンディングはさすがの格好良さと渋さです。青春ものの趣があったセッションで、大人の貫禄を出してくださいました。

大事なものを無くした美潮ちゃんのことを「ねーちゃん」と慕う九郎くんも、ねーちゃんの為に盗まれた物のありかを突き止めたり、スーツ姿の銀二くんや修行という言葉で人間カルチャーを誤解したり、みんなの弟ポジションとして卓の雰囲気を和やかにしてくれました。クライマックス戦闘で「みねうち」って言ってかっこつける場面がソーキュートです。

メンズ3人のサポートも得て、クライマックスで美潮ちゃんはついに、シェアハウスから美潮ちゃんの大事なものを始め作家の語彙やギター弾きの腕などを盗んだ泥棒たちと対決します。泥棒のひとりから九郎くんを「バケモノ」と言われた事に激怒する優しさも素敵だったし、泥棒たちを倒した後に現れた二段構えの大ボスにドラマチック出目クリティカルを出したり、さすが主人公、持ってる。クライマックス終了から、心の声を言葉に乗せてしめくくるエンディングも爽やかで、作中季節にぴったりのセッションとなりました。

◆セッションその後に◆

GMは初めて戦闘以外の判定イベントをクライマックスに導入しようとして、結果見通しの甘さにより1回でクリアできてしまったことは明らかな反省点なのだな……セッションは盛り上がったけど、もう少々人間性を削っておきたかった。
全体的には明るい雰囲気で、爽やかで笑える素敵なセッションになりました。しかし、それらは全て次の重たさへの助走だったのだ……ヘビーな第4回は、みんなの弟、九郎くんの秘密に迫ってゆくセッションです。またそのうち記事にしますので、ゆるりとお待ちください。

今回のセッション「君の声」ログ
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