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前日談 アラメダリサーチ編

前日談 アラメダリサーチ編

ちょっと、そこのお嬢さん
??
君だよ、きみ

ん?わたし

そうだよ。そこのツインテールのきみ
コインを落としたよ。
ほら。しっかり持ってなきゃ。

両手で、受け取る。


いつも使っているコインより、少し重い気がした。

ブロックチェーンの意思なんだから、資産管理はきっちりね。

はぁ、(あっ、こういうときは!)
ありがとうございます!
うん、お礼が言えて偉いね。

初対面のはずなのに、どこか懐かしさを感じる線の細い青年、わたし、この人を知ってる?
だから、いつもの調子で聞いてみる。
真正面から。

わたしの名前は、エブモス!
みんな、エブ子って呼ぶんだ。
よろしくね❕
お兄さんの名前、教えてほしいです!

僕は、V.V

ブイツー?

あははっ
みんな、そう言う顔するんだよね。
あと、僕はこの略、嫌いでさ。
だから、気軽にピースって、読んでほしい。

ぴー、す?
なんで?

ほら、ブイサインが2つだろ?
ブイサインは、ピースとも見れる。
そして、ピースは、平和だ。
僕は、平和が好きだからね。

はぁ。
(なんとも、不思議な人)

きみ、僕のこと、変な人だと思ってないかい?

いえ、いえ!
全然!
変だったのは、名前を突然、聞いたわたしの方だし

なんだ、自覚はあるんだ。
いきなり名前を聞いてくる女の子だ。

(でも、その返しは、ちょっと傷つくかな)

ん。
ただ、だからこそ、そこがいい。
っと、そろそろ行かなきゃ。
ごめんね。きみも、どこかに行く途中だったろ?

(そうだ、学校が終わってアバランチ姉のところに遊びに行く予定だったんだ)
ううん。
こちらこそ、長引かせちゃってごめんなさい。

いや、こちらこそ。

そう言って、別れ、わたしは、アバランチ姉のところに向かった。

ねぇ、エブ子

なぁに、アバランチ姉ぇ?

そのネイル、綺麗ね。
貴女、いつの間にそんなお洒落するようになったの?
何か、心変わりでもした?
あった?
好きな男の子?それとも、女の子?

はじまった。
アバランチ姉ぇのうざがみだ。
でも、嫌いじゃない。
だって、言葉に好きがのっているから。

心地よい、うざがらみ。
もとい、じゃれあいを交わしながら、時間は過ぎていく。

でも、いつの間にこんな模様が爪にあったのか?
あの男の人かな?
凄腕のネイルアーティストだったのかな?
ちょっと、物語の中でみるエルフっぽかったし。そんな技が使えそるのかも?
そういえば、コイン、拾ってくれたけど
わたし、コイン持っていたっけ

そう思い、ポケットに手を入れると空を切る感覚があった。
ない。
やはり、ない。
じゃあ、あのコインは、何?


エブ子〜、なーに深刻な顔しているの?
なるほど、なるほど。
好きな子を思っているとか?


ちがうよー!アバランチ姉ぇ!

ムキにならない、ならない。エブ子ちゃん。
まだまだ、子どもなんだから。

んー。(アバランチ姉ぇちがうー)
(でも、悩んだって仕方ないっか)

そう思うと、わたしは、アバランチ姉ぇとの話に夢中になった。
アバランチ姉ぇは、ものしりだけど、ちょっと恋愛脳で、かわいいお姉さんなのだ。
わたしは、好き!

チェーン上に作られた街を青年は、歩く。
どこか、物語のエルフを思わせる細く長身の青年。

ふぅ、これで、良いかな。
託せる子に託せたし。
上手くやってよ。
エブモス。
イーサと、コスモスを繋ぐ意思の子よ。


そう言うと、風に揺れるように、彼の姿は消えた。

———→
エブモスは、謎のネイルを描かれた。
右の親指と人差し指指、左の薬指にエブモスのロゴのネイルを1つずつ。
計3つのネイルが描かれた。

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