見出し画像

インドラの真珠:3点で決まるメビウス変換

 メビウス変換はa,b,c,dの4つの係数(パラメータ)を持った式で表されますが、分数式ですのでそのうちの1つで分母、分子を割ってしまえばパラメータは3つで済みます。
  $${f(z)=\dfrac{az+b}{cz+d}=\dfrac{\dfrac{a}{d}z+\dfrac{b}{d}}{\dfrac{c}{d}+1}}$$
すると、$${(z,f(z))}$$ の組を適当に3組とれば、この係数は決定できることになります。それには,3元1次の連立方程式を解くことになりますが,Web上にはその結果が載っています。たとえば,ウィキペディア。ゲバートさんが作成された次のCindyJSのものでは,また別の方法が使われています。

 リンク先を開くと見出しの図が出ます。6つの点A,B,C,D,E,Fをとり,メビウス変換がA->D,B->E,C->F によって定義されています。この組み合わせで決まるメビウス変換でA,B,Cを通る円を次々に変換した図です。点A〜Fを動かすと図が変化します。

画像7

===================

Cinderellaにはメビウス変換を行うツールが用意されているので,方程式を解いたり,プログラムを書いたりしなくても,簡単に作図することができます。ここからは,Cinderellaで作図する方法の説明です。実際に操作しなくても,作図過程を見ていただけばよいでしょう。ただし,上の図とは,変換するはじめの図が異なります。
 まず、一つ円を描き,メビウス変換を定義するための点を6つ用意します。 この円をメビウス変換で変換していきます。

画像1

モードメニューから「変換」「メビウス変換」を選びます。 

画像2

 上の方にガイドが出ますので、ガイドに従って1つ目の元の点と写る点、2つ目の元の点と写る点、3つ目の元の点を写る点を指定します。
まず元の点をクリックし、マウスボタンを離したまま動かすと矢印がそれにつれて動くので写る点をクリックします。 

画像3

 画面右上に変換のアイコンができます。動かすモードで円を選択してアイコンをクリックします。 

画像4

写った図形が表示されます。 

画像5

定義に用いた点を移動するとそれに合わせて係数も変化します。次の図は点Fの位置を少し変えたものです、先ほどは左上に写っていたものがこんどは右下に写っています。 

画像6


 写った円を選択して変換ボタンをクリックするともうひとつ円ができます。そのまま変換ボタンをクリックすると次々に変換された円ができます。

 今度は,元の図として,対称移動で描いた家の図を使ってみましょう。

画像8
画像9


次節:2つの固定的吸引点を持つメビウス変換

→ インドラの真珠:目次 に戻る