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絵本『えんとつ町のプペル』で英語をやりなおし #07

キングコング西野さんの絵本『えんとつ町のプぺル』を1ページずつ、英訳の英文法解説をします。(#06はコチラ

【STEP 1】まずは日本語で読んでみよう!


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あちこちまわり、バケモノたちのポケットは、おやつでいっぱいになりました。

時計台の鐘が鳴り、みんな、かえりじたくをはじめます。

ゴミ人間はなかまのひとりにはなしかけました。

「ハロウィンはたのしいね。またあしたもやろうね」

「なにいってんだよ、ゴミ人間。ハロウィンはきょうまでだぜ」

そういうと、バケモノたちはつぎつぎにマスクをぬぎはじめます。

カボチャのなかからは少年のアントニオが、

魔女のなかからは少女のレベッカが、それぞれでてきました。

なんと、みんなはバケモノの仮装をしていたのです。


【STEP 2】次は英語をチェック!

The monsters went around everywhere and their pockets full of treats.

The bell of the clock tower rang, and everyone started preparing to go home.

The trashman spoke to one of them.

”Halloween is fun. Let’s do it again tomorrow.”

“What are you talking about, trashman. Halloween is only today.”

And with that all, the monsters began taking off their masks.

Little boy Antonio came out of the pumpkin,

and little girl Rebecca came out of the witch.

They were only dressed like monsters.


【STEP 3】英文法解説をします!

The monsters went around everywhere and their pockets full of treats.
あちこちまわり、バケモノたちのポケットは、おやつでいっぱいになりました。

◆ポイント1:接続詞 and
接続詞 and は A and B(AとB)のカタチで、同じ要素(名詞と名詞、動詞と動詞、文と文など)をつなぐ働きがあります。and の前が「主語(S)と動詞(V)のある文」になっているため、通常 and の後ろも「SとVのある文」である必要がありますが、動詞が見当たりません。their pockets became full of treats(バケモノたちのポケットは、おやつでいっぱいになりました)と、「~になる」という意味の become の過去形 became が抜けている(誤植?)と考えられそうです。
#間違っていたらゴメンナサイ

◆Words & Phrases
pocket(ポケット)
*新出単語・熟語のみ掲載しています。


The bell of the clock tower rang, and everyone started preparing to go home.
時計台の鐘が鳴り、みんな、かえりじたくをはじめます。

◆ポイント1:動名詞
「動詞のing形」を動名詞といい、その名の通り「動詞を名詞にしたもの」です。「~する」という動詞を ing形 にすることで「~すること」という名詞の働きに変化します。動詞 start(~を始める)の後ろには名詞を置きますが、動詞 prepare(準備する)を動名詞 preparing にすることで置けるようになりました。
started preparing(準備し始めた)

◆ポイント2:不定詞
「to+動詞の原形」のカタチを不定詞といい、このカタチにすることで、動詞が「~すること」という名詞の働きに変化します。動詞 prepare(準備する)の後ろには名詞を置きますが、動詞 go(行く)を不定詞 to go にすることで置けるようになりました。不定詞(to V)も動名詞(Ving)も「~すること」という解釈ですが、不定詞は「未完了」ニュアンス、動名詞は「完了」ニュアンスがあり、帰宅する(go home)のは「まだこれから先(未完了)」であるため、不定詞 to go home のカタチを使います。
preparing to go home(帰る準備をする)

◆Words & Phrases
clock tower(時計台)、rang(ring[鳴る]の過去形)、everyone(みんな)、prepare(準備する)、go home(帰る)


The trashman spoke to one of them.
ゴミ人間はなかまのひとりにはなしかけました。
“Halloween is fun. Let’s do it again tomorrow.”
「ハロウィンはたのしいね。またあしたもやろうね」

◆ポイント1:自動詞と他動詞
動詞 speak は、speak English, speak Japanese のように、「speak+名詞」のカタチにすると「(言語)を話す」という意味になりますが、今回のように「speak to+名詞」にすると「(人に)話しかける」という意味になります。「speak+名詞」のような直後に名詞を置く動詞を「他動詞」、「speak to+名詞」のような直後に名詞を置かない動詞を「自動詞」といい、自動詞と他動詞で解釈が異なる動詞は少なくありません。
The trashman spoke to one of them(ゴミ人間はなかまのひとりにはなしかけました)

◆ポイント2:be動詞
be動詞は「イコール関係」を表します。Halloween is fun. は「ハロウィン=楽しい」ということであり、be動詞の is に直接当てはまる日本語訳はありません。
Halloween is fun(ハロウィンはたのしいね)

◆ポイント3:代名詞
日本語では「またあしたもやろうね」とありますが、英語は Let’s do it again tomorrow. と、わざわざ it(それ[=ハロウィン]を)と言っています。これは、動詞 do が直後に名詞を置かなければならない他動詞だからです。もし Let’s do again tomorrow. と言ってしまうと、「するって、何をするの?」と思われてしまいます。「そんなこと言わなくても分かるじゃん!」というのは日本語だからであり、英語は基本的に「言わなければ伝わらない言語」なのです。
Let’s do it again tomorrow(またあしたもやろうね)

◆Words & Phrases
spoke(speak の過去形)、speak to(~に話しかける)、one of(~のうちの1つ[1人])、fun(楽しい)、again(また、再び)、tomorrow(明日)


“What are you talking about, trashman. Halloween is only today.”
「なにいってんだよ、ゴミ人間。ハロウィンはきょうまでだぜ」

◆ポイント1:疑問詞を使った疑問文の作り方
何か質問をするときに欠かせない疑問詞は、コミュニケーションに必須のツールです。疑問詞 what(何)を使った疑問文の作り方をおさえましょう。

[Step1] もともとの文章をイメージする。
You are talking about ----.(キミは ---- について話している)
 ▼
[Step2] 尋ねる部分を疑問詞に変える。
You are talking about what.(キミは what について話している)
※ここでは「物事」を尋ねる what を使います。
 ▼
[Step3] 通常の疑問文を作る。
Are you talking about what?(キミは what について話しているの?)
 ▼
[Step4] 疑問詞を先頭に移動させる。 ⇒完成!
What are you talking about?(キミは何を話しているの?)

このような流れで疑問文が作られているため、前置詞 about で文が終わっていても、これで文法的に正しいカタチです。What are you talking about? は単なる疑問文というよりも、日本語にある「なにいってんだよ」のように、相手がバカなことを言っていたり、間違ったことを言っていたりするときの反応として使われることが多いです。
What are you talking about(なにいってんだよ)

◆Words & Phrases
talk about(~について話す)、today(今日)


And with that all, the monsters began taking off their masks.
そういうと、バケモノたちはつぎつぎにマスクをぬぎはじめます。

◆ポイント1:動名詞
ここでも動名詞(Ving)の登場です。動詞 begin(~を始める)の後ろには名詞を置きますが、動詞 take off([衣服を]脱ぐ)を動名詞 taking off にすることで置けるようになりました。begin と start はどちらも「~を始める」という意味ですが、begin のほうが少しフォーマルな(堅い)響きがあります。ここでの began を started に置き換えても問題ありません。
the monsters began taking off their masks(バケモノたちはつぎつぎにマスクをぬぎはじめます)

◆Words & Phrases
with that(そう言うと)、begin(begin[~を始める]の過去形)、take off([衣服を]脱ぐ)、mask(マスク)


Little boy Antonio came out of the pumpkin,
カボチャのなかからは少年のアントニオが、
and little girl Rebecca came out of the witch.
魔女のなかからは少女のレベッカが、それぞれでてきました。

◆ポイント1:接続詞 and
こちらは接続詞 and で、SとVのある文がと文がキチンと結ばれています。
#1文目は何だったんだろう

◆Words & Phrases
little boy(小さな男の子)、come out(出てくる)、little girl(小さな女の子)


They were only dressed like monsters.
なんと、みんなはバケモノの仮装をしていたのです。

◆ポイント1:受け身
動詞を「be動詞+過去分詞」のカタチにすることで、「~れる、~られる」という受け身の文を作ることができます。動詞 dress はもともと「衣服を着せる」という意味であり、be動詞+dressed のカタチで、「服を着せられる=服を着ている」という使い方になります。
They were only dressed(みんなは服を着ていた)

◆ポイント2:前置詞 like
ここでの like は「~のような」という意味の前置詞です。この like を動詞と考えて「~を好む、~が好きだ」と訳してはいけません。1文に動詞は基本的に1つであり、すでに were という動詞が登場しているので、like を動詞として捉えるのはNGです。
like monsters(バケモノのような)

◆Words & Phrases
like(~のような)、dressed like(~のような恰好をしている)


◇ディクテーションやシャドウイングの練習に使える音声はコチラ



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