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絵本『えんとつ町のプペル』で英語をやりなおし #05

キングコング西野さんの絵本『えんとつ町のプぺル』を1ページずつ、英訳の英文法解説をします。(#04はコチラ

【STEP 1】まずは日本語で読んでみよう!


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いろんなバケモノたちがゴミ人間のところにあつまってきました。

「イ~ヒッヒ、みんながおそれる夜の支配者、魔女だよ~」

「悪魔の科学者が生みだしたモンスター、フランケンさまとはオレのことだ」

「死ぬことをわすれた、わたしはゾンビ」

みんなそろって、こう聞いてきます。

「ところでキミはいったい、なにモノだ?」

「ボクはゴミ人間だ」

バケモノたちはいっせいに笑いました。


【STEP 2】次は英語をチェック!

All kinds of monsters started gathering around the trashman.

“Tee hee hee, I’m a witch, the ruler of night, and everybody’s fear.”

“A monster created by a devilish scientist ; I am Mr. Frankenstein.”

“I forgot how to die. I am Zombie.”

Everybody started to ask.

“And just what in the world are you?”

“I’m a trashman.”

All the monsters burst out laughing.


【STEP 3】英文法解説をします!

All kinds of monsters started gathering around the trashman.
いろんなバケモノたちがゴミ人間のところにあつまってきました。

◆ポイント1:動名詞
「動詞のing形」を動名詞といい、その名の通り「動詞を名詞にしたもの」です。「~する」という動詞を ing形 にすることで「~すること」という名詞の働きに変化します。ここでは、動詞 gather(集まる)を動名詞 gathering にすることで、動詞 start(~を始める)の後ろに置くことができるようになりました。
started gathering(集まり始めた)

◆Words & Phrases
all kinds of(あらゆる種類の)、start Ving(~し始める)、gather around(~の周りに集まる)
*新出単語・熟語のみ掲載しています。


“Tee hee hee, I’m a witch, the ruler of night, and everybody’s fear.”
「イ~ヒッヒ、みんながおそれる夜の支配者、魔女だよ~」

◆ポイント1:同格のカンマ
名詞Aと名詞Bが「A, B」と並んでいて、「A=B」の関係になっているとき、AとBは同格の関係にあるといいます。a witch, the ruler of night のカンマ(,)がイコールの働きをしていて「魔女=夜の支配者」という関係になっています。さらに and everybody’s fear と続くので、「魔女=夜の支配者であり、みんなの恐れ(の対象)」という解釈になります。
a witch, the ruler of night, and everybody’s fear(みんながおそれる夜の支配者、魔女)

◆ポイント2:所有を表す 's
「Aの(持つ)B」と、所有を表すときは「A's B」というカタチにします。このときAは人や動物であり、Aが無生物(モノ)の場合は「B of A」というカタチになります。[例] Tom's car(トムのクルマ)、a leg of the chair(イスの脚)
everybody’s fear(みんなの恐れ)

◆Words & Phrases
tee hee hee(クスクス、ヒッヒ)、witch(魔女、魔法使い)、ruler(支配者、統治者)、everybody(あらゆる人)、fear(恐れ)


“A monster created by a devilish scientist ; I am Mr. Frankenstein.”
「悪魔の科学者が生みだしたモンスター、フランケンさまとはオレのことだ」

◆ポイント1:形容詞に変わる動詞
動詞を、現在分詞や過去分詞というカタチに変えると、いろいろなものを「詳しく説明する」ことができるようになります。ここでは、動詞 create(~を生み出す)を過去分詞 created に変えて、名詞 A monster の説明をしています(名詞を詳しく説明するものを「形容詞」といいます)。過去分詞の場合、「~れる、~られる」という受け身のニュアンスがプラスされます。
A monster created by a devilish scientist(悪魔の科学者によって生み出されたモンスター⇒悪魔の科学者が生みだしたモンスター)

◆ポイント2:強調
話し言葉では、I am → I'm のように、短縮できるものは短縮するのが基本ですが、ここでは I am Mr. Frankenstein. となっています。これは短縮している場合と比べて耳に残りやすいため、ハッキリと強調したいときに使うことが多いです。
I am Mr. Frankenstein.(フランケンさまとはオレのことだ)

◆Words & Phrases
create(~を生み出す、創り出す)、devilish(悪魔のような、極悪な)、scientist(科学者)、Frankenstein(フランケンシュタイン)


“I forgot how to die. I am Zombie.”
「死ぬことをわすれた、わたしはゾンビ」

◆ポイント1:疑問詞+不定詞(to V)
「疑問詞+ to V」は、疑問詞の意味に should(~すべき)のニュアンスを加えた、1つの名詞の働きをします。たとえば、今回の how to V は、「どのように~すべきか」⇒「~する方法、~の仕方」という解釈になります。
how to die(死に方)

◆Words & Phrases
forgot(forget[~を忘れる]の過去形)、how to V(~する方法、~の仕方)、Zombie(ゾンビ)


Everybody started to ask.
みんなそろって、こう聞いてきます。

◆ポイント1:不定詞と動名詞
「to+動詞の原形」のカタチを不定詞といい、このカタチにすることで、動詞が「~すること」という名詞の働きに変化します。ここでは、動詞 ask(尋ねる)を不定詞 to ask にすることで、動詞 start(~を始める)の後ろに置くことができるようになります。start to V も start Ving も「~することを始める」と同じ意味になりますが、start to V は「継続性のない、瞬間的な行為」、start Ving は「ある程度継続する行為」に対して使われることが多く、今回の ask は不定詞 to ask に、1文目の gather が動名詞 gathering になっているのはそのためです。
started to ask(尋ね始めた)

◆Words & Phrases
start to V(~し始める)、ask(尋ねる、質問する)


“And just what in the world are you?”
「ところでキミはいったい、なにモノだ?」

◆ポイント1:強調
ここでの、in the world は「一体全体」という意味で、疑問文を強調するときに使います。また、just も疑問詞の前に置くと「一体」という意味の強調表現になります。通常の疑問文に比べてキツい響きにしたいときに使います。
And just what in the world are you?(ところでキミはいったい、なにモノだ?)

◆ポイント2:疑問詞
通常、「キミは誰だ?」と尋ねる場合は疑問詞 who(誰)を用いて、Who are you?(キミは誰だ?)としますが、ここでは疑問詞 what(何)が使われています。「人物」を尋ねる who ではなく、あえて「物事」を尋ねる what を使うことで、「ちょっと人には見えないけれど、キミは何者だ?」というニュアンスになります。尋ねている相手は「ゴミ人間」なので、疑問詞 what のほうがピッタリですね。

◆Words & Phrases
just(ところで、一体)、what(何)、in the world(一体全体)


“I’m a trashman.”
「ボクはゴミ人間だ」
All the monsters burst out laughing.
バケモノたちはいっせいに笑いました。

◆ポイント1:省略
All the monsters は、All of the monsters(バケモノたちみんな)の of が省略されたカタチです。「全ての~、~全部」を意味する「all of 範囲の限定された名詞(the~, my~など)」は of がよく省略されます。
All the monsters(バケモノたちは)

◆Words & Phrases
burst(急に~し出す)、laugh(笑う)、burst out laughing(爆笑する、急に笑い出す)


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