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絵本『えんとつ町のプペル』で英語をやりなおし #11

キングコング西野さんの絵本『えんとつ町のプぺル』を1ページずつ、英訳の英文法解説をします。(#10はコチラ

【STEP 1】まずは日本語で読んでみよう!


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ふりかえれば、体じゅう“スス" だらけの少年が立っていました。

少年はゴミ人間のしょうたいを知ってもにげようとはしません。

「ぼくは、えんとつそうじ屋のルビッチ。キミは?」

「……え、えっと」

「なまえがなければつければいい。そうだなあ、

……ハロウィンの日にあらわれたから、キミのなまえはハロウィン・プぺルだ」


【STEP 2】次は英語をチェック!

When he turned around, he saw a boy covered in soot from head to toe.

The boy didn’t run away even when he found out what the trashman was.

“I’m Lubicchi, the chimney cleaner. And you are?”

“. . . Ummm”

“If you don’t have a name, you should give yourself one. Let’s see . . .

because you showed up on Halloween, your name is Halloween Poupelle.”


【STEP 3】英文法解説をします!

When he turned around, he saw a boy covered in soot from head to toe.
ふりかえれば、体じゅう“スス" だらけの少年が立っていました。

◆ポイント1:時を表す接続詞 when
ここでの when は2つの文をつなぐ接続詞の働きをしています。When S V~, で「SがVするとき」と解釈し、後ろの文へとつながります。
When he turned around(彼[=ゴミ人間]が振り返ったとき)

◆ポイント2:「見る」を表す see / look / watch
see / look / watch はいずれも「見る」という意味の動詞ですが、ここでしっかり使い分けをおさえておきましょう。see は「自然に視界に入る、見かける」ときに、look は「ある対象を意識的に視線をしっかり向けて見る」ときに、watch は「動いているものを集中して見る」ときに、それぞれ使います。今回は、「ゴミ人間が振り返った時に少年の姿が目に入った」という状況なので see(ここでは過去形の saw)が使われています。
he saw a boy(彼は少年の姿が目に入った)

◆ポイント3:形容詞に変わる動詞
動詞を、現在分詞や過去分詞というカタチに変えると、名詞を詳しく説明する働きを持つ「形容詞」に変えることができます。ここでは、動詞 cover(~を覆う)を過去分詞 covered に変えて、名詞 a boy の説明をしています。過去分詞の場合は「~れる、~られる」という受け身のニュアンスがプラスされます。
a boy covered in soot(ススで覆われた少年)

◆ポイント4:冠詞の省略
「from A to B」のカタチで「AからBまで」と解釈します。本来、文法的には from the head to the toe のように冠詞が必要なのですが、「from A to B」のAとBが同じ名詞であったり、2つの名詞が対句になっている場合は、冠詞がないほうがリズムがよくなるため省略されてしまいます。[例] from flower to flower(花から花へと)、from beginning to end(最初から最後まで)
from head to toe(頭から足先まで⇒体中)

◆Words & Phrases
cover(~を覆う)、covered in(~で覆われている、~まみれである)、soot(すす)、toe(つま先)、from head to toe(体中、頭から足先まで)
*新出単語・熟語のみ掲載しています。


The boy didn’t run away even when he found out what the trashman was.
少年はゴミ人間のしょうたいを知ってもにげようとはしません。

◆ポイント1:過去形の否定文
一般動詞の過去形の否定文は、動詞の前に didn't を付けると作ることができます。did が過去を表しているので、動詞は原形に戻ります。(×)didn't ran
The boy didn’t run away(少年は逃げなかった)

◆ポイント2:even when
even when は「even when S V~」のカタチで「SがVする時でも[でさえ]」と解釈します。1文目に出てきた when S V(SがVするとき)の強調表現です。
even when he found out(彼が知っても)

◆ポイント3:what+主語+be動詞
「what+主語+be動詞」のカタチで「[主語]が何者であるのか」と、主語の姿や地位を表現します。
what the trashman was(ゴミ人間が何者であるか⇒ゴミ人間の正体)

◆Words & Phrases
run away(走り去る、逃げる)、even when(~の時でも、~の時でさえ)、found(find の過去形)、find out(気が付く、知ってしまう)


“I’m Lubicchi, the chimney cleaner. And you are?”
「ぼくは、えんとつそうじ屋のルビッチ。キミは?」

◆ポイント1:自己紹介
英語で自己紹介をするときに My name is ~.(私の名前は~です)と言うと、少しかたく響きます。自分の名前を言うときはシンプルに I'm ~.(私は~です)でOK。また、相手の名前を尋ねるとき What's your name?(キミ、名前は?)と言うと、事務的に(ぶっきらぼうに)尋ねているように聞こえてしまうので、社交の場で使うことはオススメしません。相手の名前を知りたいときは、ここでルビッチが言っているように、まずは自分の名前を言ってから And you are?(あなたは?)と相手に促してあげるのがベストです。
And you are?(キミは?)

◆Words & Phrases
cleaner(掃除人)


“. . . Ummm”
「……え、えっと」
“If you don’t have a name, you should give yourself one. Let’s see . . .
「なまえがなければつければいい。そうだなあ、

◆ポイント1:仮定・条件を表す接続詞 if
接続詞 if は「if S V~」のカタチで「もしSがVだったら[Vしたら]」と解釈します。
If you don’t have a name(なまえがなければ)

◆ポイント2:アドバイスの should
助動詞 should を「~すべき」という日本語訳でおさえてしまうと、語気が強く、なんだか使いにくいものに感じてしまいます。should は「個人的な意見として伝えるアドバイス(~したほうがいい)」としておさえると使い勝手がよくなります。
you should give(つければいい)

◆ポイント3:give+人+モノ
動詞 give は「give+人+モノ」の語順で「[人]に[モノ]を与える」という使い方をします。ここでの代名詞 one は直前に出てきた a name を指しています(※one, two, three の one じゃないよ)。つまり、give yourself one で「自分自身に名前を与える=自分に名前を付ける」という解釈です。
give yourself one(自分に名前をつける)

◆ポイント4:会話の間をつなぐ表現
英語は日本語以上に間を空けずに会話を続ける "Keep Talking" の意識が強い言葉で、無言の間を作ることを好みません。そこで、言葉に詰まったときに間をつなぐのに使えるのが Let's see です。他にも間をつなぐ表現として Um や You know、well などがあります。ただし、これらの使いすぎには要注意。5秒に1回のペースで You know を挟んでくるネイティブがいましたが、さすがにちょっとうっとおしいです(笑)。また、間をつなぐときに「えー」とか「えーっと」と言う日本人が多いのですが、コレは「日本語」であって、英語を話している中に混ぜてしまうとすごく不自然に聞こえます。
Let’s see(そうだなあ)

◆Words & Phrases
ummm([考え込んで]うーん)、if(もし~ならば)、have(~を持っている)、name(名前)、should(~すべきだ、~したほうがいい)、let's see(ええっと)


because you showed up on Halloween, your name is Halloween Poupelle.”
……ハロウィンの日にあらわれたから、キミのなまえはハロウィン・プぺルだ」

◆ポイント1:理由を表す接続詞 because
接続詞 because は「because S V~」のカタチで「SはVだから[Vするので]」と解釈します。
because you showed up on Halloween(ハロウィンの日にあらわれたから)

◆Words & Phrases
because(なぜならば、~だから)、show up(現れる、姿を現す)


◇ディクテーションやシャドウイングの練習に使える音声はコチラ


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