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可能性を表す助動詞【3日間完成 Day1】

可能性を想像する助動詞

助動詞とは、「助動詞+動詞の原形」のカタチで、動詞が持つ本来の意味に「話し手の判断や気持ち」をプラスする働きのあることばです。

前回は「必要性」を表す助動詞を扱いましたが、今回は「可能性」を表す助動詞のお話です。ひとつ例文をチェックしてみましょう。

She is hungry.(彼女はお腹が減っている)

この英文は、「彼女はお腹が減っている」と単に事実を表しています。

しかし、すべての出来事が白か黒かどちらかになるということはなく、グレーな部分が少なからず存在します。たとえば、先ほどの「彼女はお腹が減っている」というのは、彼女にしか分からず、周りにいる人は(彼女が「お腹が減った」と言わない限り)推測するしかありません。

助動詞の役割は「彼女はお腹が減っているかもしれない」というような、グレーな部分(推測をする部分)を表現することができるところです。

She is hungry.(彼女はお腹が減っている)=事実
She might be hungry.(彼女はお腹が減っているのかもしれない)=可能性の想像(推測)


強いmust と 弱いmight

グレーな部分を表現するのが助動詞ですが、それが白に近いグレーなのか、黒に近いグレーなのか、グレーの「濃さ」は助動詞を変えることで調整できます。

自信を持って話ができるのが助動詞 must話に自信がないのが助動詞 mightです。

He must be tired.(絶対彼は疲れているにちがいない)=自信のある推測
He might be tired.(彼は疲れているかもしれない)=自信のない推測 

言い換えれば、「目の下にクマができているから」のような、根拠のある推測をする場合に使うのが must で、「そうかもしれないけど、そうじゃないかもしれない」と根拠のない推測をする場合に使うのが might です。

*弱い推測の might は現在の話と未来の話の両方で使うことができますが、強い推測の must は現在の話でしか使うことができません。未来の話で強い推測をする場合は will を使います。


canの持つコアニュアンス

canには「~できる」と「~があり得る」の2つの意味があると言われ、その2つのどちらの意味になるかは「文脈で訳し分ける」と習ったりします。

He can play saxophone.(彼はサックスを吹くことができる
It can be true.(それは真実であり得る

もちろん文脈を意識することは非常に重要なのですが、「文脈で訳し分ける」というふわっとした感じはかえって混乱を招くポイントになることもあります。

ここで、can の持つコアニュアンスをおさえる必要があります。can のコアニュアンスはひとつ、「実現可能性」です。

can = 実現可能性
「動作」の実現可能性 ⇒ その動作をすることが「できる」
「状況」の実現可能性 ⇒ その状況になることが「ありうる」
He can play saxophone.(彼はサックスを吹く動作の実現可能性がある ⇒ サックスを吹くことができる

It can be true.(それは真実であるという状況の実現可能性がある ⇒ 真実であり得る

「英語→日本語」「日本語→英語」のダイレクトな変換で助動詞を捉えることは難しいですが、このように英語が使われる場面・状況をイメージして文法の持つコアニュアンスをおさえれば、キレイに整理できます。


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