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絵本『えんとつ町のプペル』で英語をやりなおし #14

キングコング西野さんの絵本『えんとつ町のプぺル』を1ページずつ、英訳の英文法解説をします。(#13はコチラ

【STEP 1】まずは日本語で読んでみよう!


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ルビッチはプぺルの体をすみずみまで洗ってくれました。

よごれはきれいにおちて、ニオイはずいぶんマシになりました。

「ありがとう、ルビッチ」

「……でも口がくさいね。息をはいてごらん」

プぺルは息をはきました。

「アハハ、こりゃくさい。プぺル、それはガスだよ。みがいたってムダだね」

ふたりは、おそくまでいっしょにいました。


【STEP 2】次は英語をチェック!

Lubicchi washed every nook and cranny of Poupelle’s body.

All the grime came cleanly off, and the smell was much better, too.

“Thank you, Lubicchi.”

“Hmm . . . but your mouth is still stinky. Breathe out.”

Poupelle exhaled out.

“Ha ha ha, that’s so smelly. Poupelle, that’s gas. Brushing is not gonna help.”

The two played together till late that night.


【STEP 3】英文法解説をします!

Lubicchi washed every nook and cranny of Poupelle’s body.
ルビッチはプぺルの体をすみずみまで洗ってくれました。

◆ポイント1:nook and cranny
nook は「人目に付かない所、隠れ場所」、cranny は「(壁や岩などの)割れ目」という意味です。そこから「普段は気づかなかいような部分まで」というニュアンスで、「隅から隅まで、あらゆる場所を」という意味で使われます。
every nook and cranny(すみずみまで)

◆ポイント2:every
every は「全て」と訳しますが、「一人ひとり、一つ一つ」と個々を意識するため、単数扱いとなります。そのため、後ろの名詞は単数形です。(×)every nooks and crannies

◆Words & Phrases
every nook and cranny(隅から隅まで、あらゆる場所を)、body(体)
*新出単語・熟語のみ掲載しています。


All the grime came cleanly off, and the smell was much better, too.
よごれはきれいにおちて、ニオイはずいぶんマシになりました。

◆ポイント1:省略
All the grime は、All of the grime(よごれ全部)の of が省略されたカタチです。「全ての~、~全部」を意味する「all of+範囲の限定された名詞(the~, my~など)」は of がよく省略されます。
All the grime(よごれは)

◆ポイント2:句動詞
ここでの come off([汚れなどが]取れる、落ちる)のような、動詞を含む熟語を句動詞といいます。句動詞は「単語の持つコアニュアンスをおさえること」がポイント。come off は「離れて(off)来る(come)」イメージから「(付いているモノが)取れる、外れる」という意味になります。on は「接触」、off は「分離」の基本イメージは全てに応用できるので、おさえておくと便利です。
All the grime came cleanly off(よごれはきれいにおちて)

◆ポイント3:比較級
2つのものを比較するとき、英語では比較級というカタチを使います。形容詞 good を比較級 better に変化させることで、2つのものを比べる表現になります。ここでは「今のニオイ」と「前のニオイ」を比べているのは明らかなので、than before(前よりも)という表現は省略されています。また、比べるものの差が大きいことを強調するとき、比較級の前に much(ずっと、はるかに)を置きます。very(とても)は通常の形容詞・副詞の強調はできますが、比較級の強調はできません。(○)very good、(×)very better
the smell was much better(ニオイはずいぶんマシになりました)

◆Words & Phrases
grime(汚れ、あか)、cleanly(きれいに)、come off([汚れなどが]取れる、落ちる)、better(good[良い]の比較級)


“Thank you, Lubicchi.”
「ありがとう、ルビッチ」
“Hmm . . . but your mouth is still stinky. Breathe out.”
「……でも口がくさいね。息をはいてごらん」

◆ポイント1:be動詞の文
be動詞は「イコール関係」を表します。your mouth is still stinky は「あなたの口=臭い」ということを示していて、be動詞の is に直接当てはまる日本語訳はありません。
your mouth is still stinky.(口がくさいね)

◆ポイント2:命令文
英語は原則として、主語(S)と動詞(V)が必要です。Breathe out. のような「主語がなく動詞から始まる英文」は命令文と呼ばれ、「~しなさい」「~してね」などのように解釈します。「命令文」というとキツい表現のように聞こえますが、ここでの日本語の「息をはいてごらん」のように、言い方ひとつでソフトな表現にもなります。
Breathe out.(息をはいてごらん)

◆Words & Phrases
still(いまだに、今もなお)、breathe out(息を吐き出す)


Poupelle exhaled out.
プぺルは息をはきました。
“Ha ha ha, that’s so smelly. Poupelle, that’s gas. Brushing is not gonna help.”
「アハハ、こりゃくさい。プぺル、それはガスだよ。みがいたってムダだね」

◆ポイント1:動名詞
動名詞とは、その名の通り「動詞を名詞にしたもの」です。動詞を「ing形」にすることで、「~すること」という名詞の働きに変化します。ここでは、動詞 brush(磨く)を 動名詞 brushing にすることで主語の位置に置いています(主語は必ず名詞です)。
Brushing(みがくこと)

◆ポイント2:be going to V
gonna は going to を1単語に短くしたもので、話し言葉でよく使われます。be going to V[be gonna V] のカタチで、ここでは「目の前の現状から判断した未来の予測」を表します。口がものすごく臭いという今の状況から、どんなに頑張って磨いてもこの先臭いままだ、という判断をしています。
Brushing is not gonna help.(みがいたってムダだね)

◆ポイント3:動詞 help
ここでの動詞 help は「~は役に立つ、助けになる」という意味です。否定文で使うことで「~は役に立たない、効果がない」という表現になります。
Brushing is not gonna help.(みがいたってムダだね)

◆Words & Phrases
exhale out(息を吐き出す)、gas(ガス)、brush(磨く)、help(役に立つ)


The two played together till late that night.
ふたりは、おそくまでいっしょにいました。

◆ポイント1:動詞 play
ここでの動詞 play は「遊ぶ」という意味です。ただし、コレは子どもが「遊ぶ」と言う時に使う表現。中学生くらいからは「遊ぶ」と言うのに play は不自然です。大人が「遊ぶ」と言う時は、go to karaoke(カラオケに行く)などのように、具体的に何をしたかを明確にします。
The two played together(ふたりは一緒に遊びました)

◆Words & Phrases
together(一緒に)、till late(遅くまで)


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