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絵本『えんとつ町のプペル』で英語をやりなおし #03

キングコング西野さんの絵本『えんとつ町のプぺル』を1ページずつ、英訳の英文法解説をします。(#02はコチラ

【STEP 1】まずは日本語で読んでみよう!


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心臓は、町のはずれのゴミ山におちました。

ドクドクあばれる心臓に、ゴミがあれこれくっついて、ついに生まれたゴミ人間。

あたまはバサバサ、オンボロ傘。口からガスが、プスーハッハ。

とってもきたないゴミ人間。とってもくさいゴミ人間。

耳をすますと、とおくから鐘の音が聞こえてきました。

どうやら、じぶんのほかにもだれかいるようです。

ゴミ人間はゴミ山をでました。


【STEP 2】次は英語をチェック!

The heart fell on a pile of trash at the edge of town.

All types of rubbish stuck onto the thumping, beating heart, until finally a trashman was born.

His head was a shaggy old umbrella. Gas hissed out of his mouth.

He was a very filthy trashman. A very smelly trashman.

When he strained his ears, he could hear the sound of bells from the distance.

There seemed to be others.

The trashman left the trash pile.


【STEP 3】英文法解説をします!

The heart fell on a pile of trash at the edge of town.
心臓は、町のはずれのゴミ山におちました。

◆ポイント1:カタマリでおさえる
a pile of(山ほどの、山積みの)や at the edge of([町・村など]の外れに)は「ひとつのカタマリ」でおさえることがポイントです。単語を1つ1つ分解するのではなく、カタマリでおさえることで「読む・聞く・書く・話す」がスムーズにできるようになります。
a pile of trash at the edge of town(町のはずれのゴミ山)

◆Words & Phrases
a pile of(山ほどの、山積みの)、trash(ごみ、がらくた)、at the edge of([町・村など]の外れに)
*新出単語・熟語のみ掲載しています。


All types of rubbish stuck onto the thumping, beating heart, until finally a trashman was born.
ドクドクあばれる心臓に、ゴミがあれこれくっついて、ついに生まれたゴミ人間。

◆ポイント1:trash と rubbish
「ごみ、がらくた」という意味で、1文前では trash でしたが、ここでは rubbish になっています。trash はアメリカ英語、rubbish はイギリス英語で、意味の違いはありません。同じ単語や言い回しを何度も繰り返すことを避けるために、ここでは rubbish を使ったと考えられます。

◆ポイント2:形容詞に変わる動詞
動詞を現在分詞(Ving)に変えると、形容詞(=名詞を詳しく説明するもの)として使うことができます。ここでは、動詞 thump([心臓が]ドキドキする)と beat([心臓が]鼓動する)を現在分詞 thumping, beating に変えて the heart(心臓)の説明をしています。
the thumping, beating heart(ドクドクあばれる心臓)

◆ポイント3:接続詞 until
接続詞 until は、until S V のカタチで「SがVするまでずっと」という意味で使うことが多いですが、ここでは finally(ついに)があることから、until finally S V のカタチで「(~して)ついにSがVする」と解釈します。
until finally a trashman was born(ついにゴミ人間が生まれました)

◆Words & Phrases
all types of(あらゆるタイプの)、rubbish(ごみ、がらくた)、stuck(stick[くっつく]の過去形)、finally(ついに、とうとう)、trashman(ゴミ人間)、born(生まれる、誕生する)


His head was a shaggy old umbrella. Gas hissed out of his mouth.
あたまはバサバサ、オンボロ傘。口からガスが、プスーハッハ。

◆ポイント1:主語と動詞
日本語では「あたまはバサバサ、オンボロ傘。口からガスが、プスーハッハ。」と表現しても、英語は基本的に「主語」と「動詞」が必要です。ここでは、1文目は主語 His head、動詞 was、2文目は主語 Gas、動詞 hissed となっています。

◆Words & Phrases
head(頭)、shaggy(ボサボサの、むさくるしい)、old(古い)、umbrella(傘)、gas(ガス)、hiss(シューと音を立てる)、out of(~から)、mouth(口)


He was a very filthy trashman. A very smelly trashman.
とってもきたないゴミ人間。とってもくさいゴミ人間。

◆ポイント1:主語と動詞の省略
英語では基本的に主語と動詞を明記しますが、2文目の主語と動詞は1文目と全く同じなので省略されています(このほうが英文のリズムもよくなります)。
( He was ) a very smelly trashman.(とってもくさいゴミ人間)

◆Words & Phrases
very(とても)、filthy([物・衣装などが]汚い、不潔な)、smelly(悪臭を放つ)


When he strained his ears, he could hear the sound of bells from the distance.
耳をすますと、とおくから鐘の音が聞こえてきました。

◆ポイント1:接続詞 when
ここでの when は2つの文をつなぐ接続詞の働きをしています。When S V~, で「SがVするとき」と解釈し、後ろの文につなげます。
When he strained his ears(耳をすますと)

◆ポイント2:進行形の代用をする助動詞 can
知覚動詞と呼ばれる see(見える)、hear(聞こえる)、feel(感じる)などは、進行形(be動詞+Ving)のカタチにすることが文法的にできません(× He was hearing the sound...)。助動詞 can は「できる」という意味でおなじみですが、ここでは進行形の代用表現として使われています(could は can の過去形です)。
he could hear the sound of bells(鐘の音が聞こえてきました)

◆ポイント3:知覚動詞が進行形にできない理由
進行形(be動詞+Ving)は、「目の前で進行中の動作」や「一時的な動作・状況」を表します。「一時的」であるということは、「動作の始まりと終わりが意識できる」ということであり、それが意識できない動詞は進行形にできません。たとえば、「好きである」ことは「始まりと終わりの瞬間」は意識できないため、I'm liking chocolate. とは言えず、I like chocolate.(チョコレートが好きです)となります。同様に、知覚動詞 see(自然と目に入る)や hear(自然と聞こえてくる)は、始まりと終わりが意識できないため進行形にできません。

◆Words & Phrases
strain one's ears(耳を澄ます)、sound(音)、bell(鐘)、from the distance(遠くから)


There seemed to be others.
どうやら、じぶんのほかにもだれかいるようです。

◆ポイント1:印象を表す動詞 seem
動詞 seem(~のようだ)は話し手の印象や判断を表します。ここでは seem to V のカタチで、存在を表す There is ~(~がいる)と組み合わせて、There seem to be ~(~がいるようだ)という表現になっています。"There seem ~" も "There seem to be ~" も同じ意味ですが、前者は主観的な印象、後者は客観的な印象を表すときに使います。
There seemed to be others.(どうやら、じぶんのほかにもだれかいるようです)

◆Words & Phrases
seem(~のようだ)、others(他の人たち)


The trashman left the trash pile.
ゴミ人間はゴミ山をでました。

◆ポイント1:冠詞 a と the
冠詞 the は「聞き手[読み手]にとって特定できる(聞き手と共通認識を持っている)もの」に使われます。一方、冠詞 a は「聞き手が特定できない(初耳の)もの」に使われます。同じ「ゴミ山」でも、初登場の The heart fell on a pile of trash at the edge of town.(心臓は、町のはずれのゴミ山におちました)では冠詞 a が使われていましたが、ここでは The trashman left the trash pile.(ゴミ人間はゴミ山をでました)と冠詞 the が使われています。

◆Words & Phrases
left(leave[~を出る、~を去る]の過去形)、trash pile(ゴミの山)


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