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絵本『えんとつ町のプペル』で英語をやりなおし #10

キングコング西野さんの絵本『えんとつ町のプぺル』を1ページずつ、英訳の英文法解説をします。(#09はコチラ

【STEP 1】まずは日本語で読んでみよう!


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ゴミ人間のうわさはすぐに町じゅうにひろまりました。

「ゴミ人間だ」

「バケモノがあらわれた」

ゴミ人間がはなしかけても、

「あっちへいけよ、ゴミ人間」「ニオイがうつる」

と、あいてにしてもらえません。

ゴミ人間はベンチにこしをかけ、プスーハッハとくさいためいきをこぼしました。

そんなときでした。

「キミがうわさのゴミ人間か。ソレ、仮装じゃないんだって?」


【STEP 2】次は英語をチェック!

Word of the trashman quickly spread across town.

“It’s a trashman.”

“There’s a monster in town.”

When the trashman tried to speak, all he got was

“Go away, trashman,” “You’re gonna get your smell on me.”

The trashman sat on a bench, and hissed out a stinky sigh.

That was when it happened.

“So you’re the trashman everyone is talking about. I heard that’s not a costume?”


【STEP 3】英文法解説をします!

Word of the trashman quickly spread across town.
ゴミ人間のうわさはすぐに町じゅうにひろまりました。

◆ポイント1:主語と動詞を見抜く
英文を構成する要素として最も大切なものが「主語(S)」と「動詞(V)」です。この英文の主語は word(うわさ)、動詞は spread(広がった)です。残りの of the trashman(ゴミ人間の)は主語の補足説明、quickly(すぐに)と across town(町中に)は動詞の補足説明になっています。主語と動詞を上手くピックアップできると、英文解釈の精度が格段に高まります。
Word spread(うわさは、ひろまりました)

◆Words & Phrases
word(うわさ、陰口)、spread([情報やうわさなどが]広まる、伝わる)、across town(町中に)
*新出単語・熟語のみ掲載しています。


“It’s a trashman.” “There’s a monster in town.”
「ゴミ人間だ」「バケモノがあらわれた」

◆ポイント1:存在を伝える There is ~
There is ~ は「~があります」と、存在を伝えるときに使います。ここでは There's と短縮形が使われています。
There’s a monster in town(町にバケモノがいる⇒バケモノがあらわれた)


When the trashman tried to speak, all he got was “Go away, trashman,” “You’re gonna get your smell on me.”
ゴミ人間がはなしかけても、「あっちへいけよ、ゴミ人間」「ニオイがうつる」と、あいてにしてもらえません。

◆ポイント1:接続詞 when
ここでの when は2つの文をつなぐ接続詞の働きをしています。When S V~, で「SがVするとき」と解釈し、後ろの文へとつながります。
When the trashman tried to speak(ゴミ人間が話しかけたとき)

◆ポイント2:不定詞
「to+動詞の原形」のカタチを不定詞といい、このカタチにすることで、動詞が「~すること」という名詞の働きに変化します。動詞 try(~を試す)の後ろには名詞を置きますが、動詞 speak(話しかける)を不定詞 to speak に変えることで置くことができるようになりました。
tried to speak(話しかけることを試す⇒話しかけようとする)

◆ポイント3:all he got
名詞 all を英文 he got が後ろから修飾(詳しく説明)して、1つの名詞のカタマリになっています(all he got = 彼の手に入れた全てのもの)。all he got was “Go away, trashman,” “You’re gonna get your smell on me.” は直訳すると、「彼の手に入れた全てのものは『あっちへいけよ、ゴミ人間』『ニオイがうつる』という言葉だった」となり、そこから「『あっちへいけよ、ゴミ人間』『ニオイがうつる』としか言われることがなく、相手にしてもらえなかった」と解釈されます。
all he got was “Go away, trashman,” “You’re gonna get your smell on me.”(「あっちへいけよ、ゴミ人間」「ニオイがうつる」と、あいてにしてもらえません)

◆ポイント4:be going to V
gonna は going to を1単語に短くしたもので、話し言葉でよく使われます。be going to V[be gonna V] のカタチで、ここでは「目の前の現状から判断した未来の予測」を表します。be going to V を使うことで、「目の前にゴミ人間がいて、近くにいるとニオイがうつってしまう」という差し迫った緊迫感を表現することができます。この差し迫った感じは will では出すことができません。
You’re gonna get your smell on me.(ニオイがうつる)

◆Words & Phrases
smell(におい)、get A on B(AをBの上にのせる):get your smell on me(あなたのニオイを私の上にのせる⇒あなたのニオイが私にうつる)


The trashman sat on a bench, and hissed out a stinky sigh.
ゴミ人間はベンチにこしをかけ、プスーハッハとくさいためいきをこぼしました。

◆ポイント1:過去形 and 過去形
sit(座る)の過去形 sat と hiss(シューと音を立てる)の過去形 hissed が、接続詞 and で結ばれているカタチです。このような「過去形 and 過去形」のカタチは「連続する2つの動作」を表し、「ベンチに腰をかけて、そして、くさいため息をシューという音を立てて出した」ということがわかります。
sat on a bench, and hissed out a stinky sigh(ベンチにこしをかけ、プスーハッハとくさいためいきをこぼしました)

◆Words & Phrases
sat(sit[座る]の過去形)、sit on(~に座る)、bench(ベンチ、長椅子)、stinky(くさい)、sigh(ため息)


That was when it happened.
そんなときでした。

◆ポイント1:接続詞 when
ここでの when は2つの文をつなぐ接続詞の働きをしています。when S V(SがVするとき)のカタマリを That was の後ろに置いて、That was when S V(それはSがVしたときだった、SがVしたのはそんなときだった)というカタチになっています。
That was when it happened.(それが起こったのは、そんなときだった)

◆Words & Phrases
happen(起こる、発生する)


“So you’re the trashman everyone is talking about. I heard that’s not a costume?”
「キミがうわさのゴミ人間か。ソレ、仮装じゃないんだって?」

◆ポイント1:接触節
もともと Everyone is talking about the trashman.(みんながゴミ人間について話をしている)という英文の目的語 the trashman を頭に移動させると、the trashman everyone is talking about(みんなが話をしているゴミ人間)という1つの名詞のカタマリにすることができます。日本語では「みんなが話をしている+ゴミ人間」と、名詞の説明は全て前に置かれますが、英語では「ゴミ人間+みんなが話をしている」と、後ろに置かれます。「説明は後ろ」、これが英語の特徴です。
the trashman everyone is talking about(みんなが話をしているゴミ人間⇒うわさのゴミ人間)

*ここでの everyone is talking about を「接触節(せっしょくせつ)」といいます。関係代名詞 who[whom/that] の省略と考えることもできますが、接触節として考えるほうがシンプルで分かりやすいです。

◆ポイント2:現在進行形
「be動詞+動詞のing形」を現在進行形といい、「いまの一時的な動作・状況」を表します。
everyone is talking(みんなが話している)

◆ポイント3:hear S V
動詞 hear(聞こえる、耳にする)は、後ろに S V~ を続けると「~だとうわさに聞いている」という意味になります。「[音声が]聞こえる」という意味ではありません。「[音声が]聞こえる」という意味のときは、I hear a strange noise.(変な音が聞こえる)のように、hear の後ろには名詞が置かれます。
I heard that’s not a costume?(ソレ、仮装じゃないんだって?)

◆Words & Phrases
hear(聞こえる、耳にする)


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