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絵本『えんとつ町のプペル』で英語をやりなおし #13

キングコング西野さんの絵本『えんとつ町のプぺル』を1ページずつ、英訳の英文法解説をします。(#12はコチラ

【STEP 1】まずは日本語で読んでみよう!


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「いまは、しごとのかえりだからね、このとおりススまみれ」

「えんとつそうじは、おとなのしごとだろ?」

「ウチには父ちゃんがいないから、ぼくがはたらかなきゃいけないんだ。

それより、そんなニオイじゃ、きらわれてあたりまえ。うちの庭で体を洗いなよ」

「え? いいの?」

「ぼくも体を洗わないと家にあがれないからね。ついでにキミも洗うといい」

「ルビッチはボクをさけないね」

「なんだかなつかしいニオイがするんだよ。ぼくがすてたパンツでもまじってんじゃない?」


【STEP 2】次は英語をチェック!

“Well, I’m on my way home from work, so as you can see, I’m covered in soot.”

“Isn’t chimney cleaning a job for grownups?”

“I don’t have a dad, so I gotta work.

Besides, with a smell like that, no wonder they don’t like you. Why don’t you wash yourself in our yard.”

“What? That’s OK?”

“I need to wash up before I get in the house anyway. You should do the same.”

“Why don’t you avoid me, Lubicchi?”

“You smell kinda familiar. I wonder if my dirty pants are mixed in there.”


【STEP 3】英文法解説をします!

“Well, I’m on my way home from work, so as you can see, I’m covered in soot.”
「いまは、しごとのかえりだからね、このとおりススまみれ」

◆ポイント1:接続詞 so
接続詞 so は、英文と英文をつないで、「A, so B」のカタチで「AなのでB」「A、だからB」と解釈します。Aには理由(=仕事帰り)、Bには結果(=ススまみれ)を置きます。
I’m on my way home from work, so I’m covered in soot.(しごとのかえりだからね、ススまみれだよ)

◆ポイント2:接続詞 as
接続詞  as の基本イメージは「=」。このイコール関係から、as you can see を直訳すると「=あなたが見て理解できる」すなわち「お分かりのように、ご覧の通り」という解釈になります。ここでの see は「~を理解する」という意味です。I see.(分かりました)でおなじみの表現ですね。
as you can see(このとおり)

◆ポイント3:受け身
「be動詞+過去分詞」のカタチで「~れる、~られる」という「受け身」を表すことができます。
I’m covered in soot(ススで覆われている⇒ススまみれ)

◆Words & Phrases
on my way home(家に帰る途中)、as you can see(ご覧の通り)
*新出単語・熟語のみ掲載しています。


“Isn’t chimney cleaning a job for grownups?”
「えんとつそうじは、おとなのしごとだろ?」

◆ポイント1:否定疑問文
「否定疑問文」とは、肯定文 Chimney cleaning is a job for grownups.(えんとつ掃除は大人の仕事です)を、疑問文 Is chimney cleaning a job for grownups?(えんとつ掃除は大人の仕事ですか?)にして、否定形 Isn't ~? にしたカタチです。この否定疑問文は「~じゃないの?」「~ではないのですか?」と解釈し、驚きや意外性(=大人の仕事だと思っていたえんとつ掃除を子どものルビッチがやっている)を表現します。
Isn’t chimney cleaning a job for grownups?(えんとつそうじは、おとなのしごとだろ?)

◆Words & Phrases
cleaning(掃除)、job(仕事)、grownup(大人、成人)


“I don’t have a dad, so I gotta work.
「ウチには父ちゃんがいないから、ぼくがはたらかなきゃいけないんだ。

◆ポイント1:gotta
義務を表す have to V(~しなければならない)は、「have to → have got to → got to → gotta」の順にカジュアルな表現になります。I gotta work. = I have to work.(ぼくが働かなければならない)。カジュアルな会話では gotta がよく使われています。[例] I gotta go now.(もう行かなくちゃ)
I gotta work(ぼくがはたらかなきゃいけないんだ)

◆Words & Phrases
dad(パパ、お父さん)、gotta(~しなければならない)


Besides, with a smell like that, no wonder they don’t like you. Why don’t you wash yourself in our yard.”
それより、そんなニオイじゃ、きらわれてあたりまえ。うちの庭で体を洗いなよ」

◆ポイント1:「つながり」を表す with
with は、「つながり」をイメージする前置詞で、ここでは「プぺル」と「臭いニオイ」がつながっている様子を表しています(※なんかヤダな)。また、ここでの like は「~のような」を意味する前置詞です。「~を好む、~が好きだ」という意味の動詞ではないことに注意(もし動詞だったら主語の次に来ているハズ)。
with a smell like that(そんなニオイじゃ)

◆ポイント2:no wonder
wonder は「驚くべきこと」という意味の名詞で、そこから「No wonder S V ~」のカタチで「~は驚くべきことではない、~も当然である」と解釈します。また、ここでの they(彼ら、彼女たち)は、プペルを避けている人たちをひっくるめて they としています。
no wonder they don’t like you(彼らがキミを嫌うのも当然だ⇒きらわれてあたりまえ)

◆ポイント3:Why don’t you ~?
Why don’t you ~? は直訳すると「なぜあなたは~しないのか?」。そこから「どうしてやらないの?やってみなよ!」と何かを提案する表現になります。割とカジュアルな表現なので、目上の人に対して提案する時に使うのはオススメしません。
Why don’t you wash(洗いなよ)

◆ポイント4:再帰代名詞
myself や yourself などの -self のカタチを再帰代名詞といいます。よく「~自身」と訳したりしますが、それよりも重要なのは「目的語が主語と同一人物の場合、目的語は必ず再帰代名詞のカタチになる」というルールがあることです(*目的語=動詞の直後の名詞)。(×)Why don’t you wash you
Why don’t you wash yourself in our yard(うちの庭で体を洗いなよ)

◆Words & Phrases
besides(その上、それに加えて)、wonder(驚くべきこと)、why(なぜ)、wash(~を洗う)、yard(庭)


“What? That’s OK?”
「え? いいの?」
“I need to wash up before I get in the house anyway. You should do the same.”
「ぼくも体を洗わないと家にあがれないからね。ついでにキミも洗うといい」

◆ポイント1:不定詞
「to+動詞の原形」のカタチを不定詞といい、このカタチにすることで、動詞が名詞の働きに変化します。動詞 need(~する必要がある)の後ろには名詞を置きますが、動詞 wash up(洗う)を不定詞 to wash up にすることで置けるようになりました。
I need to wash(体を洗う必要がある)

◆ポイント2:接続詞 before
接続詞 before は「before S V~」のカタチで「SがVする前に」と解釈します。
I need to wash up before I get in the house anyway(家にあがる前に体を洗う必要がある⇒ぼくも体を洗わないと家にあがれないからね)

◆ポイント3:アドバイスの should
助動詞 should を「~すべき」という日本語訳でおさえてしまうと、語気が強く、なんだか使いにくいものに感じてしまいます。should は「~したほうがいい」と、個人的な意見として伝えるアドバイス感覚で使うことができます。
You should do the same(ついでにキミも洗うといい)

◆ポイント4:冠詞 the
冠詞 the は「聞き手[読み手]にとって特定できる(聞き手と共通認識を持っている)もの」に使われます。same は「同じもの、同じこと」という意味で、「同じこと」は文脈で1つに特定できるので、必ず冠詞の the とセット(the same)になります。
You should do the same(同じことをしたらいいよ⇒ついでにキミも洗うといい

◆Words & Phrases
need(~する必要がある)、wash up(洗う)、get in(~に入る)、house(家)、anyway(どうせ、どっちみち)、same(同じもの、同じこと)


“Why don’t you avoid me, Lubicchi?”
「ルビッチはボクをさけないね」

◆ポイント1:Why don’t you ~?
ここでの Why don’t you ~? は「提案」ではなく「否定の確認」の意味(なぜあなたは~しないのか?⇒~しないよね)で使われています。
Why don’t you avoid me, Lubicchi?(ルビッチはボクをさけないね)

◆Words & Phrases
avoid(~を避ける)


“You smell kinda familiar. I wonder if my dirty pants are mixed in there.”
「なんだかなつかしいニオイがするんだよ。ぼくがすてたパンツでもまじってんじゃない?」

◆ポイント1:kinda
kinda は、kind of をくずした口語表現で、「何だか、ちょっと」という意味です。ストレートな言い方を避けて曖昧に表現できるのが、この kind of[kinda] です。kind of は、名詞・形容詞・副詞・動詞など、ありとあらゆるものを修飾(=詳しく説明)できる万能な表現で、会話によく使われますが、使い過ぎると「はっきりしない人」という印象を持たれてしまうので注意が必要です。
You smell kinda familiar(なんだかなつかしいニオイがするんだよ)

◆ポイント2:wonder if
ここでの wonder は動詞で、「wonder if S V ~」のカタチで「SがVするのではないかと思う」と解釈します。また、ここでの if は「~かどうか」という意味であり、「もし~なら」と訳さないことに注意。まずは、動詞の直後に if が来る場合は「~かどうか」という解釈になる、とおさえておけばOKです。[例] I don't know if this is a fake.(これが偽物かどうかは分かりません)
I wonder if my dirty pants are mixed in there(ぼくが捨てたパンツが混ざているのではないかと思う⇒ぼくがすてたパンツでもまじってんじゃない?)

◆ポイント3:受け身
「be動詞+過去分詞」のカタチで「~れる、~られる」という「受け身」を表すことができます。ここでは mix(~を混ぜる)を受け身にしたカタチ are mixed(混ぜられている⇒混じっている)です。
my dirty pants are mixed(ぼくがすてたパンツがまじってる)

◆ポイント4 :in there
本来 there は「そこに」という意味の副詞であり、in などの前置詞とセットで使うことはできません(前置詞の後ろは必ず名詞)。ここでは例外的に there を名詞として使って、in there(そこの中に)としています。これは、「そこの中(=プペルの体の中)にルビッチが捨てたパンツが混じっているのではないか」ということを表現をするためです。これが there だけだと、「プペルの体の中」のことなのか、それとも「そこの辺り周辺」のことなのかハッキリしません。「プペルの体の中」ということを明確にするために in there としています。in there = in the body のような感覚です。

◆Words & Phrases
kinda(何だか、ちょっと)、familiar(なじんだ、親しみがある)、wonder if(~かどうかと思う)、pants(ズボン、パンツ)、mixed(混じった)、in there(そこの中に)


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