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絵本『えんとつ町のプペル』で英語をやりなおし #06

キングコング西野さんの絵本『えんとつ町のプぺル』を1ページずつ、英訳の英文法解説をします。(#05はコチラ

【STEP 1】まずは日本語で読んでみよう!


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バケモノたちのなかまにくわわったゴミ人間は

「トリック・オア・トリート、トリック・オア・トリート。

おやつをよこさないとイタズラをするぞ」と家々をまわり、

おとなたちからおやつをわけてもらいました。

そして、じぶんよりちいさなこどもたちには風船をプレゼントしてまわりました。

ゴミ人間がふくらませた風船はぷかぷか浮かんで、こどもたちは、おおよろこび。

「よし、つぎの家だ。いこうぜ、ゴミ人間」


【STEP 2】次は英語をチェック!

The trashman joined the monsters and went around houses shouting

“Trick or treat, trick or treat. Give us some treats or we’re gonna trick you!”

and collected treats from all the adults.

Then, they went around giving balloons to the smaller children.

The trashman’s balloons were very floaty, which delighted all the children.

“OK, next house. Let’s go, trashman.”


【STEP 3】英文法解説をします!

The trashman joined the monsters and went around houses shouting “Trick or treat, trick or treat. Give us some treats or we’re gonna trick you!”
バケモノたちのなかまにくわわったゴミ人間は「トリック・オア・トリート、トリック・オア・トリート。おやつをよこさないとイタズラをするぞ」と家々をまわり、

◆ポイント1:過去形 and 過去形
join(~に加わる)の過去形 joined と go(行く)の過去形 went が、接続詞 and で結ばれているカタチです。このような「過去形 and 過去形」のカタチは「連続する2つの動作」を表し、「バケモノたちの仲間に加わって、そして、家々を回っていった」ということがわかります。
The trashman joined the monsters and went around houses(ゴミ人間は、バケモノたちのなかまにくわわって、家々をまわり)

◆ポイント2:副詞に変わる動詞
動詞を、現在分詞や過去分詞というカタチに変えると、副詞(=名詞以外を詳しく説明するもの)として使うことができます。これを「分詞構文」と呼びます。ここでは、動詞 shout(~を叫ぶ)を現在分詞 shouting に変えて、前の文 The trashman joined the monsters and went around houses に情報をプラスしています。「~して、~しながら」と訳すと自然な流れになります。分詞構文は「動作や状況の同時性を伝える」「動作や状況を重ね合わせる」効果があり、「家々を回っている状況」と「トリック・オア・トリートと叫んでいる状況」が重なっている映像が頭に浮かびます。
shouting “Trick or treat, trick or treat.(「トリック・オア・トリート、トリック・オア・トリート」と大声で叫びながら)

◆ポイント3:命令文 or S V
英語は原則として、主語(S)と動詞(V)が必要です。Give us some treats のような「主語がなく動詞から始まる英文」は命令文と呼ばれ、「~しなさい」「~してね」などのように解釈します。そして、命令文の直後に「or S V...」のカタチが続くと、この or は「さもなければ…」という解釈になります。「または」という意味ではないことに注意してください。
Give us some treats or(おやつをよこせ、さもないと)

◆ポイント4:be going to V
gonna は going to を1単語に短くしたもので、話し言葉でよく使われます。be going to V[be gonna V] のカタチで、「~する予定だ、~するつもりだ」という「前々から決めていた予定、前もって考えられていた意図」を表します。「おやつをくれなかったらイタズラしちゃう」というのは、事前に考えられている意図ですね。
we’re gonna trick you(イタズラをするぞ)

◆Words & Phrases
go around(~を回る)、shout(~を叫ぶ、大声で言う)、trick or treat(トリック・オア・トリート:ハロウィンで仮装した子供たちがコレを叫びながら近所の家を回り、お菓子をねだります)、give 人 モノ([人]に[モノ]を与える)、treat([通例複数形 treats]おやつ)、trick(~にいたずらする)
*新出単語・熟語のみ掲載しています。


and collected treats from all the adults.
おとなたちからおやつをわけてもらいました。
Then, they went around giving balloons to the smaller children.
そして、じぶんよりちいさなこどもたちには風船をプレゼントしてまわりました。

◆ポイント1:副詞に変わる動詞
ここでも giving balloons to the smaller children という分詞構文が登場しています。動詞 give(与える、あげる)を現在分詞 giving に変えて、前の文 they went around に情報をプラスしています。分詞構文は「動作や状況を重ね合わせる」効果があるので、「~して、~しながら」と解釈すると自然です。
giving balloons to the smaller children(じぶんよりちいさなこどもたちには風船をプレゼントしながら)

◆ポイント2:文末焦点
Give us some treats(おやつをよこせ)は「give 人 モノ」(人にモノを与える)の語順ですが、giving balloons to the smaller children(じぶんよりちいさなこどもたちには風船をプレゼントして)は「give モノ to 人」(人にモノを与える)という語順になっています。どちらも同じ解釈なのですが、ニュアンスの違いがあります。英語には「文末焦点」という考え方があり、「強調したいもの」や「新情報」を文末に置くため、「give 人 モノ」は「何をあげたか」、「give モノ to 人」は「誰にあげたか」を意識したカタチです。つまり、Give us some treats は some treats が、giving balloons to the smaller children は the smaller children が、それぞれ「強調したい情報」になっています。

◆ポイント3:比較級
2つのものを比較するとき、英語では比較級というカタチを使います。形容詞 small を smaller という「形容詞+er」のカタチに変化させることで、2つのものを比べる表現になります。the smaller children では単に「小さな子どもたち」ですが、the smaller children とすれば「自分たちよりも小さな子どもたち」と、自分たちと比べていることがわかります。
the smaller children(じぶんよりちいさなこどもたち)

◆Words & Phrases
collect(~を集める)、adult(大人)、balloon(風船)、small(小さい)、children(child[子ども]の複数形)


The trashman’s balloons were very floaty, which delighted all the children.
ゴミ人間がふくらませた風船はぷかぷか浮かんで、こどもたちは、おおよろこび。

◆ポイント1:関係代名詞
もともと That delighted all the children. の That を関係代名詞 which に代えて、前の文につなげたカタチです。通常、関係代名詞は直前の名詞を修飾(=詳しく説明)するのですが、ここでは前文 The trashman’s balloons were very floaty を丸ごと説明しています。この場合、必ず「, which」のカタチになり、「カンマ(,)なし」や「関係代名詞 that」になることはありません。
, which delighted all the children(そのことが子どもたちを大喜びさせました)

◆Words & Phrases
floaty(浮かんでいる、フワッとした)、delight(~を大喜びさせる)


“OK, next house. Let’s go, trashman.”
「よし、つぎの家だ。いこうぜ、ゴミ人間」

◆ポイント1:Let's V
「Let's V」のカタチで「~しよう」と相手を誘う表現になります。余談ですが、Let's は Let us の短縮形です(Let is じゃないよ)。
Let’s go(いこうぜ)

◆Words & Phrases
next(次の)


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