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最も美しいリバーブ、UAD Ocean Way Studioについて語らせてくれ

 リバーブは、楽曲のクオリティに最も寄与するものではないでしょうか。
(EQ・コンプは音より操作感が最も大事ですし)
 そのため、今までルームリバーブはEventide社のTverbを使っておりました(こちらもかなりおすすめです)。

Eventide 「Tverb」。アンビエンスマイクの位置をクリックで動かせるし、お上品かつフワッとしたリバーブ音です(お下品にもできます)。

 Tverb自体、セールでも13,000円と高かったので乗換えは考えていませんでしたが、UAD Ocean Way Studioを試してみたら美しく、扱いやすいので買ってしまいました。

Universal Audio 「Ocean Way Studio」。同じくマイクの位置を変えられます。

 プラグインの元になったOcean Way Studioがどうすごいのか等は他の方のブログがコピペを活用して一生懸命ご説明なさっているのでそちらでもご覧ください。

1 ルームリバーブの使い方

 さて、語る上で外せないのはルームリバーブの使い方です。
 読者諸兄におかれましては当然の知識かもしれませんが、結構ごっちゃに書いている記事も多いので、ハッキリと書いておきましょう。

 ルームリバーブは、音同士を馴染ませるためにあります!

 はい。
 リバーブは種類がいくつかありますが、その中でも「音同士が同じ空間で鳴ってますよ」という印象を付けやすいのがルームリバーブです。
 「声に空気感を付与したい」という目的ならプレートリバーブなどを薦めますが、プレートのみを使うことはほぼなく、ルーム+プレートのような使い方で「なじませ」て「空気感を付与」します。
 つまりルームは使う機会がめっちゃ多いということ。

 たくさんのソースにわずかに使うのがルームリバーブです。
 わずかなので地味な存在でもあり、たくさん使うので楽曲のクオリティを決めます。

2  Ocean Way Studioの良いところ

 ①なんだか音が超リアル

 なんでしょう、これ。
 今までのリバーブは「原音+リバーブ音」って感じで別々の質感の音をそれぞれ調整して互いに補い合うように作っていましたが、 Ocean Way Studioは「原音がすでにこの音です」みたいな音になります(REVERB MODE時)。
 ミックス仕事でこの音声ファイル送られてきたら「スタジオ借りた?」って思うもん。
 声の方のEQをしっかりやっていたら、リバーブの方のEQはいらないくらい…。
 実際、 Ocean Way StudioにはEQが付いてますが、いじらなくてもいいかなと。付属EQが簡素なのは、あまり使わないからなんでしょうね。

 ②扱いやすい

 先ほどEQを使わないと言いましたが、そうなると設定項目は少なくなります。

  1. モデリングするのは広いスタジオか?狭いスタジオか?

  2. ソースは何か?(ソロボーカル、複数ボーカルか、ドラムか等)

  3. 使うマイクはどれか?

  4. マイクの距離はどのくらいか?

「設定は素早く、音は良く」が私のモットーなので、設定箇所が少ないのは非常に楽でいいですね!
 また、部屋の図には「マイクがどれくらいの位置にあるか」を表示してくれるので、視覚的にもわかりやすいです。
(ポップスなどのボーカルであれば近め、歌い上げる曲やコーラスなどは遠めが合う傾向にあります)
 以前使っていたTverbは自分でマイクの角度を決めていましたが、Ocean Way Studioはソースごとに固定なので楽ですね。

 ③モニターに使える

 実は、購入の決め手はここです。笑
 Ocean Way StudioのみならずUADなら全部オーディオIFの付属ソフト「Console」で自分の声のモニターに使えます。
 やはりリバーブがモニターに挟めるとぐっと歌いやすくなりますし、Consoleで起動すればレイテンシ(遅れ)が気にならない程度になるので、扱いやすいんですよね。
 もちろんモニター音のみに掛けられるので、録音ファイルは完全にドライに録れます。後から曲との兼ね合いを見ながらOcean Way Studioを掛け直すことも可能です。

3 Ocean Way Studioのダメなところ

 ①高い。

 普段は35,000円くらいします。ブラックフライデーでもクーポンが出ず、財布を持ちながら「こいつが出ちまう!!」になっていました。

餓狼伝 - 丹波文七。自身の抑えきれない欲望に耐えています。

 今回は年末セール&クーポン&サンキュークーポンで10,000円くらい。それでも勇気のいる額です。

 ②DSPを約20%食う

 Apollo Twinで20%くらい食います。つまりOcean Way Studioを5個立ち上げたら終わりです。DSPが足りず、モニターで1個立ち上げてるのをいちいちオフにすることもしばしば。結構かったるい。

 ③ソースごとに立ち上げる羽目になる

 前項で「そんなにリバーブ立ち上げないでしょw」と思う方もいると思いますが、このリバーブは「声用のマイクの位置」や「ギター用マイクの位置」などを選ぶ形になるため、楽器ごとにリバーブを立ち上げるのが本来の形になります(たぶん)。
 だから一から曲を作るときはリバーブ音のみバウンスしつつ使う形になるのかな…と思います。
 今のところ声録りでしか使ってないので検証はしていませんが…。

3 総評

 音がリアルで、設定項目が少ないので、ボーカル録り・弾き語りなどの方は最高のリバーブと思います。
 何気にゲーム実況に使ってみても音声が浮かないので、ジャンルを問わないのが良いところ。
(ゲーム実況は音声が浮いているのもそれはそれで良いジャンルですが)

 UADの欲しいプラグインはそこそこ手に入れましたが、コムフィルター効果を除くためのOxford Dynamic EQか、非常に扱いやすいコンプレッサーEL8 Distoressor、バスコンプのSSL4000などを狙っています。
 それには来年のボーナスまで待ちます(´ω`)

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