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【感想】絶叫のオペラ座へようこそ
2015年 カナダ
監督 ジェローム・セーブル
出演 アリー・マクドナルド
ミニー・ドライバー
ミート・ローフ
あらすじ
俳優養成キャンプの調理場で働くカーミラは、死んだ母がかつて主演を務めていたミュージカル「オペラ座のたたり」のオーディションに参加し、見事主演に選ばれる。多少のいざこざはありながらも、カーミラとキャンプ生たちは、着々と舞台の準備を進めていった。
いよいよ公開が翌日に迫ったその夜。なんと、舞台監督が何者かに惨たらしく殺されてしまう。動揺するキャンプ生たちにプロデューサーは言う。「何があってもミュージカルは続く!」プロデューサーは再起を図るため、彼の死を隠し、公演を強行することに決める。殺人鬼が潜む中、幕を開けた「オペラ座のたたり」。血まみれのミュージカルが、今始まる……。
感想
ようこそシリーズ4作目。今日のはやばいですよ。ずばり、怪作。
本作はストーリーの途中で急に歌い出すタイプのミュージカル映画です。これはよくあるやつですね。
下働きの少女がいきなり主演に選ばれて脚光を浴びるシンデレラストーリーでもあります。うん、これもよくあるやつ。
殺人鬼が何故かメタル調の歌を叫びながらミュージカルに割り込んで、手当たり次第に人々を惨殺していきます。これは……あんまりないやつだ!
お察しの通り、とにかく色々混ぜ込んだごった煮タイプのB級ホラー(?)映画です。ストーリー単品を取ってみれば、構成もへったくれもなく散らかりまくってるんですが、何故か最後まで楽しく鑑賞できました。
というのも、今作のミュージカルシーンが割りかし良くできているというのが大きいです。歌と音楽が心地よいテンポで繰り返されて、ついついリズムに乗ってしまうような感じ。あとは、急に入ってくる殺人鬼のメタルもたまりません。正反対なものをぶつけているはずなのに、二つが見事に調和しています。
音楽だけでなく、映画のジャンル的にもそうですよね。真逆のタイプを強引にミックスしているにも関わらず、不思議とまとまっていました。ミュージカルコメディ+スプラッタホラー。どんなジャンルの映画かと聞かれたらこう答えるしかありません。
唯一無二のものを作ろうとしてぐちゃぐちゃになってるB級映画って、それこそ山のようにあると思うんですけど、本作のまとまり方はまさに奇跡としか言いようがないほどだと思います。これでストーリーも面白かったら一線級だったんですが、そこはご愛嬌。
ストーリー以外の不満点といえば、殺人鬼が何故かメタルっぽいことを除けば、すこぶる地味だったことですかね。登場の仕方や惨殺手段もワンパターンで面白みに欠けます。ホラー映画のオマージュには溢れていたんですけど、あまりオリジナリティはなかったかなぁと。メタル以外は。
あとは何だろうなー。劇中で公演する「オペラ座のたたり」は内容的には「オペラ座の怪人」そのものなんだけど本物の名前使えなかったのかなぁなんて思ったりしました。そんで、そこに日本風のアレンジをする(!?)ってなるんだけど、怪人のマスクを歌舞伎風にしたり、衣装が和風というよりどう見てもチャイナドレスだったりと、ツッコミどころ満載の内容になってたりもしました。この辺の感じはいかにもB級って感じがしていいですよね。味があります。
はい、まとめです。ミュージカルだったりスプラッターだったりめちゃくちゃなんだけど、意外と飲み口が軽くてペロリといけちゃう珍味的映画でした。胃もたれしないB級映画の鑑です。
以上、ようこそ縛りはあと3作くらい見ようと思います。お疲れ様でした。
視聴:アマプラ
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