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【感想】アドベンチャーランドへようこそ

2009年 アメリカ
監督 グレッグ・モットーラ
出演 ジェシー・アイゼンバーグ
   クリステン・スチュワート
   マーティン・スター

あらすじ

舞台は1987年夏、主人公のジェームズは今日も女に振られる冴えないチェリーボーイ。大学院進学のためにバイトで稼がないといけなくなったジェームズは地元の遊園地『アドベンチャーランド』で働くことになった。
早速バイト先でトラブルに見舞われた彼を救ったのは、超マブイ美少女エム。優しく魅力的な彼女にジェームズはどんどん惹かれていき……。
レトロな風景とBGMで彩られる一夏のラブコメディ。

感想

ようこそ5作目は毛色を変えて恋愛映画。普段全然見ないので、いつもより身構えて鑑賞です。

率直な感想としては、非常に薄味な映画だったと思いました。物語的には一応起伏があるんだけど、予想の範疇を超えてこないというか。あまりにも驚きがない平凡なストーリーです。

私は恋愛映画にこそ『驚き』って重要なファクターだと思っています。別に急展開でビビらせろって訳じゃなくて、『そう、くるのか……』みたいな静かな驚き? 伝わりますかね。なんにせよ、人間が一番感情を揺さぶられるのって『驚き』だと思っていて(そうじゃないとホラー映画なんて誰も好き好んで見ない)それがないとどうしても退屈な映画だったな、と感じてしまいます。

あとは、舞台設定としての遊園地は非常にレトロ感溢れてて視覚的に楽しいんですが、それをラブストーリーに上手く絡ませられていたかというと、別に遊園地である必然性はそこまでなかったんじゃないかなって思います。時代も別に現代でもいいよね、って感じ。アメリカ人だったらもっと違った感じ方をするのかもしれないけれど、日本人の私としてはそんな感想になります。

ただ、平凡なストーリーではありながらも、メインとなる二人の感情の機微についてはものすごく丁寧に作られていて、じっくりと見入ってしまいました。男女どちら目線でも複雑な感情を表現しようとする意気込みが見えて、すごく評価できます。

その絶妙なところを上手く観客に伝えている、主人公のジェシー・アイゼンバーグは紛れもなく本作MVPですね。彼の演技が理想的な童貞男って感じで、男だったらぐいぐい感情移入しちゃうんじゃないでしょうか。困り顔がほんと魅力的ですよね。多分、この映画に辿り着く人は半分くらい彼目当てだと思うので、そこは非常に需要と供給が釣り合っていてオススメできます。

はい、ラブへの感想はこれくらいにして、次はコメディ要素なんですけど、こっちもぶっちゃけ弱いです……。『宇宙人ポール』の監督なので、コメディ要素にも期待してたんですけど、かなり微妙。

遊園地の同僚で愉快な仲間たちは出てくるんですが、彼らに魅力がないのが大きいのかなと思います。というのも、主人公とヒロインのシーンが多すぎて、他の人たちにスポットライトがほとんど当たらないんです。しっかり恋愛を育む様子を描きたいってのは分かるんですが、中途半端に遊園地のクルーたちをポンポン出すもんだから、映画全体の空気が宙ぶらりんで締まらない感じに。

サブキャラクターで唯一好きなのは、ボビーとポーレットの夫婦です。彼らのどこか抜けてる掛け合いだけは楽しめました。

ほいじゃ、まとめます。童貞男子の一夏を描いた平凡だけど繊細なラブストーリー。レトロな雰囲気を楽しめなければとことん退屈な映画なので、そこは要注意! です。

以上、もうそろそろ〇〇へようこそって映画がなくなってきました。お疲れ様です。

視聴:アマプラ

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